ここから本文です

乗客2年ぶり270万人台、黒字確保 佐賀市営バス

佐賀新聞 10/8(土) 11:12配信

 佐賀市営バスが、佐賀空港と佐賀駅バスセンターを結ぶリムジンバスの利用増が追い風になり、2015年度の乗客数は2年ぶりに270万人台に回復した。長年続いていた市からの赤字補てんなしでも、2000万円の黒字を確保した。ことし運行80周年を迎えた市営バスは、財政支援で累積赤字を解消し増収策に力を入れる一方、増便を望む地域の声や運転手不足という課題も抱える。収支とサービスのバランスを取りながら「市民の足」を維持する努力を重ねている。

 15年度は運賃など事業収益が10億2654万円、このうち市による高齢者利用の補助金1億7000万円。支出は10億606万円で、収支は2048万円の黒字となった。顕著な増収源は、12年から運行する空港へのリムジンバスで中国、韓国を中心に外国人利用者が増え、東京へ向かう客も多い。乗客数、収入とも右肩上がりで15年度は7万8000人、運賃収入4700万円に上った。

 また佐賀女子短大と佐賀清和高の移転に伴い、佐賀大学を経由するバスを増便した結果、利用者は7000人増え、運賃収入も200万円アップした。来年3月にはICカード「nimoca(ニモカ)」の導入も決まり、「若い世代の利用を増やす呼び水になれば」と期待を寄せる。

 一方、05年から70歳以上の高齢者向けに年間通じて1回100円で利用できる「ワンコインシルバーパス」(1000円)を販売、市は毎年補助金を投入している。

 徐々に利用者は増えつつあるが、中には「1時間に1本の便では乗り遅れたら大変」(北川副・73歳女性)、「ちょうどいい時間のバスがない」(中の館・16歳男性)と増便を望む利用者は多い。市交通局は「収支に直接影響するだけに慎重にならざるを得ない」と漏らす。さらに業界全体で運転手が不足しており、「現在の路線を維持するだけで精いっぱい」と余力はないのが現状だ。

 大塚智樹副局長は「市営バスは、市が提供する福祉サービス。高齢化社会が進む中で、これからも便利な交通手段としての役割を担っていきたい」と話す。

=ズーム= 佐賀市営バス

 1936年に市の事業としてスタート。現在はバス66台が、市南部を中心に26路線を走る。58年は黒字700万円を記録し、市財政を支えていた。乗客数は68年、1500万人を超えたが自動車の普及に伴い減少。市からの繰入金などで公営を保ってきた。

最終更新:10/8(土) 11:12

佐賀新聞