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「素質を見抜く力」 広島カープの礎を築いた名スカウトが遺したもの

BuzzFeed Japan 10/8(土) 17:10配信

カープの礎を築いた名スカウト

2008年、広島カープを支えた辣腕スカウトが逝った。広島に生まれ、原爆を体験し、1950年代からカープを支えたスカウト、木庭教である。

スカウト業界でその名を知らぬものはいない。貧乏球団だったカープにあって、足で築き上げた情報網と、無名選手の素質を見抜く力は群を抜いていた。

広島のスカウトになった木庭が発掘した主な選手をあげる。衣笠祥雄、高橋慶彦、大野豊、達川光男、正田耕三……。いずれもカープ黄金時代を築き、球史にその名を刻む名選手だ。

なぜ、木庭は人の持つ力を見抜くことができたのか。彼を追いかけたノンフィクション作家を訪ねた。【BuzzFeed Japan / 石戸諭】

名スカウトがワル、やんちゃ坊主を愛した理由

私が木庭の名前を知ったのは、一冊の本だった。ノンフィクション作家・後藤正治さんが1994年の夏から約3年間、木庭に密着し、彼の目を通して戦後のプロ野球史を描いた「スカウト」だ。

東京都内のホテルで落ち合ったベテラン作家は、穏やかな表情、そして柔らかい関西弁で、こう振り返るのだった。

「木庭さんのことですか。覚えてますよ。いろんな取材をしてきましたが、この3年間は本当に楽しかったですね」

木庭はなにより「仁義」をもとに戦後を生きた人だった。後藤さんは、そこに惹かれた。

「木庭さんは、面白い人なんですよ。ワルとか、やんちゃ坊主が大好きでねぇ。例えば、広島に長嶋清幸という選手がいました。これもかなり、やんちゃでね。今で言うところの不良少年ですよ。こうした選手が、一番好きで取ろうっていうんですよね。品行方正じゃなくてもいい」

あいつは、素質は十分だが素行が悪い。そんな噂が聞こえてきても、木庭は気にしない。

「木庭さんは、そっちのほうが面白いじゃないかって思うんですよ。プロ野球で飯を食うために必要なのは、品行方正で真面目なだけのお坊ちゃんじゃない。ハングリーなやんちゃ少年のほうがプロでは飯を食える。木庭さんは経験則として、それを信じていましたから」

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最終更新:10/8(土) 17:10

BuzzFeed Japan

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