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出荷急落も「原発再稼働が進まず太陽光の出番は増える」

ニュースイッチ 10/8(土) 13:34配信

業界のキーマン、エクソル社長が予見するエネルギーミックスの見直し

 太陽電池パネルの出荷は、前年比約20%減の縮小が続く。再生可能エネルギーで作った電力の固定価格買い取り制度(FIT)が厳しく改正され、運用の議論も始まった。逆風をはねのけ、太陽光を安定普及させるための処方箋を、太陽光発電専業、エクソル(京都市中京区)の鈴木伸一社長に聞いた。2015年途中まで太陽光発電協会の事務局長を務め、政府に業界の意見を主張してきた鈴木社長は、今後も拡大路線を描く。



 ―太陽電池パネルの出荷は急落し、底打ちの気配が見えません。
 「16年度は600万―700万キロワット前後となり、今後は年600万キロワットの導入が続くだろう。25年には累計導入量が1億キロワットに達し、30年に1億3000万キロワットに拡大する」

 ―政府が15年に決めたエネルギーミックス(電源構成)で示された、30年の太陽光導入見通し(比率7%、出力6400万キロワット)を大幅に超えます。
 「電源構成は原子力発電の再稼働を織り込んでいた。再稼働が進まない現実からすると、原発を補うために太陽光の出番が増える。また、電源構成を議論した当時、太陽光は電気代に上乗せされる賦課金が高く見積もられていた。FIT改正で、買い取り価格が高い太陽光発電所も未稼働なら認定が取り消される。再計算すると賦課金が安くなり、コストが見合うようになる」

 ―では、年600万キロワットのペースで増加する根拠は。
 「FITによる売電市場に加え、自家消費とゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の市場が生まれてくるからだ。作ったエネルギーで消費エネルギーを打ち消すZEHを標準化する政府方針があり、新築住宅への太陽光の搭載は必須になる」

 ―それでもコスト削減圧力が強まります。撤退する事業者が出てくるのでは。
 「製品を持って来れば売れる世界ではなくなった。FIT改正で17年度から保守が強化されると、太陽光発電所のリスクを見抜く実力が関連事業者に求められる。20年の買い取り期間が終わった発電所は、火力発電よりもコストが下がる可能性があり、新電力の電源になり得る。21年目以降も稼働させるために、しっかりとした保守サービスが必要だ」

 ―エクソルの強みは。
 「01年からやってきた経験値がある。電気、架台、土木とそれぞれ専門業者はいるが、全体が分かる企業は存在しない。我々は専門業者の診断をまとめて最終判断を下す『ゼネラルマネジャー』になりたい」

【記者の目・保守強化でビジネス基盤安定】
 「強気」「楽観的」と思われる発言も、数字に裏打ちされた根拠を示せるのが鈴木伸一社長だ。どんな課題に対しても、何らかの解決策を出せる。業界には厳しいとされるFITの改正も「政府からの支援」と受け止める。保守の強化は「車検制度」とし、自動車産業における整備工場のような安定したビジネス基盤になると捉える。

 太陽光発電協会の事務局長から三菱電機に復帰せず、エクソルの社長に電撃的に転身した鈴木氏。来年からエネルギー基本計画の見直し作業が始まる。その次はエネルギーミックスの見直しだろう。鈴木社長が論陣を張り続けるなら太陽光は「7%・6400キロワット」以上の導入見込みになるだろう。
(聞き手=松木喬)

最終更新:10/8(土) 13:34

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