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ナチスを連想、英首相の移民政策がロンドンで働く外国人を「震撼」

Bloomberg 10/7(金) 10:17配信

英国のメイ首相が思い通りの移民対策を実施するなら、ビクトル・ビラー氏としてはロンドンを去るしかないだろうと語る。

メキシコ人でポートフォリオ分析コンサルタントのビラー氏(31)やロンドン金融街シティーで働く他の多くの外国人を震撼(しんかん)させているのは、企業に英国人以外の従業員数を強制的に報告させようという英政府の提案だ。英国民優先の雇用を促すのが狙い。

ロンドンで2年半暮らしてきたビラー氏はインタビューで、「議会が反移民政策を了承し状況が悪化するようなことがあれば、米国やどこか別の場所での仕事を絶対に考える」と発言。メイ首相の計画については、「ここに来て働く人の多くは大学院の学位を持ち高い技能を有する労働者なのだから、墓穴を掘っているに等しい」と指摘した。

ラッド英内相は今週、相手が外国人であるかの確認を怠る銀行や家主・地主を罰する提案を行った。英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択があらわにした英国民の移民に対する懸念に対応しようとする政府戦略の一環だ。

ユーガブが成人5875人を対象に5日実施した世論調査によると、政府の移民政策を支持したのは半数を超える59%。外国生まれのロンドン市民には居心地の悪い話だ。第2次世界大戦前のナチス・ドイツを連想する向きもある。

移民減らし

米国人弁護士でロンドンに16年住み、英国籍を取得済みのポーラ・レビタン氏は「1930年代や40年代初めを思い起こさずにはいられない」とし、「腕章を着けなければならなくなるのだろうか」と問い掛けた。

フランス人の両親の下に生まれ英国で育った銀行員のユセフ・ラウイティ氏(26)も共感する。「全て少々ばかげている。名簿で始まり、そこに載った人は収容所送り-。極端な政策だが、対決する人は多いだろう」と語り、法が成立するとは思えないと付け加えた。

こうした反発を受けラッド内相は、外国人労働者のリストアップは幅広い移民規制見直しの一部であり、提案にすぎないとトーンダウンした。それでも、EU離脱を賛成52%反対48%で選択した国民投票の結果を反移民の意思の表れとメイ首相が受け止めているのは明らかだ。政権は移民の年間純増数を現在の30万人余りから10万人未満に削減することを目指している。

原題:Foreigners in London ‘Horrified’ by May’s Immigration Vision(抜粋)

Alex Morales, Eric Pfanner, John Ainger

最終更新:10/7(金) 10:17

Bloomberg