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著名学者が提唱「現金をなくせばマイナス金利が効く」ってどういうこと?

THE PAGE 10/9(日) 10:00配信

 市中から現金をなくしてしまえばマイナス金利政策が効果を発揮するようになるという説が話題になっています。これはどういうことなのでしょうか。また現実に現金をなくすことはできるのでしょうか。

誰が言い出した?

 この手法は、著名経済学者のケネス・ロゴフ氏が提唱しているもので、彼はマイナス金利の効果を最大限発揮するためには現金を廃止すべきだとしています。マイナス金利は預金に対して手数料を徴収し、お金を使わせようという政策です。

 現在、日銀が行っているマイナス金利政策はあくまで日銀当座預金のみが対象となっていますが、一般預金にも手数料が課されるのではないかと心配した一部の利用者は、銀行から預金を下ろし、タンス預金に走ったと言われています。本来、マイナス金利政策はお金を使わせようという政策ですから、これがタンス預金という形で退蔵されてしまうと逆効果になってしまいます。

北欧で進むキャッシュレス化

 そこで、社会全体から現金を無くしてしまえば、国民は銀行に預金するか、お金を使う(消費もしくは投資)しかなくなるので、所定の効果が得られるだろうという考え方が出てきたわけです。

 現金をなくすのは難しいのではないかと思えますが、実は北欧ではすでに急速な勢いでキャッシュレス化が進んでおり、あながち非現実的な話ではなくなっています。現金廃止は、利便性、コスト、犯罪防止、衛生面など、あらゆる面で大きなメリットがあるといわれています。

 スウェーデンでは、すでにほとんどが電子決済に移行しており、街のお店では現金お断りの看板を掲げる所も珍しくありません。ホームレスの人まで電子決済ツールを持っているそうですから、この政策はかなり徹底されているとみてよいでしょう。

日本は現金大国

 確かに現金がなくなると、すべての取引が電子的に記録されるためマネーロンダリングがやりにくくなります。これに加えて衛生面の効果も絶大だといわれています。あまり知られていませんが、紙幣は身の回りにある品物の中では最も汚い部類に入ります。世界中で流通する米ドルの表面の成分を分析するとかなりの割合で麻薬が検出されるという話もあるくらいですから、現金のやり取りがなくなると、パンデミック(感染症の大流行)などへの対処が容易になると考えられます。

 ちなみに日本はGDPに占める現金の割合が高い国として知られています。米国では100ドル札が使われることは希ですが、日本では日常的に1万円札を使ったやり取りが行われています。確かに日本は現金大国といってよいでしょう。

 ロゴフ氏が指摘するように、現金をなくしてしまえばタンス預金はなくなりますから、マイナス金利の効果は高まるのかもしれません。しかし、マイナス金利が効果を発揮しない理由はそれだけではありませんから、現金を廃止したからといって大きな効果が得られるかどうかは何ともいえません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:10/9(日) 10:00

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