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【パ・リーグCS】ソフト内川が粉砕 ボロボロだった「下克上の鬼・ロッテ」

東スポWeb 10/9(日) 11:51配信

 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦が8日、ヤフオクドームで行われ、レギュラーシーズン2位のソフトバンクが同3位のロッテに4―3で競り勝ち、同ステージ突破に王手をかけた。戦前はソフトバンクが逆転V逸ショックを引きずり、準備万端のロッテ有利という声もあったが、実際はどうだったのか。舞台裏をのぞいてみると…。

 チームを勝利に導いたのは4番でキャプテンの内川聖一(34)だった。先発・千賀が立ち上がりに2本のソロを浴びていきなり2点を失ったが、直後の第1打席で右翼フェンス直撃の適時二塁打。3回の第2打席では左翼ホームランテラスに同点ソロを運んだ。

 チームが勝ち越した8回も先頭打者として中前打を放ち、突破口を切り開いた。すべてが得点に絡む3安打1本塁打2打点の大暴れ。工藤監督も「価値あるタイムリーとホームランを打ってくれた」と最敬礼した。

 内川は昨季のCSでも3戦すべてで決勝打を放つ大活躍をしていて、ポストシーズン通算成績も打率3割4分4厘(125打数43安打)、3本塁打、20打点。緊迫感すら漂う短期決戦であることを考えれば驚異的な数字だ。過去2度出場したWBCでも通算で打率3割4分1厘(41打数14安打)、2本塁打、8打点。この男はなぜ、短期決戦に強いのか。

 シーズン中は「4番の重圧」に苦しみ、あれこれと悩むこともあったが…。内川は短期決戦での心構えについて「思い切ってやるしかないと思ってる。(シーズンより)割り切れるところはあると思う。(シーズンの)打率は3割だけど、その打席の中で打つ、打たないかは5割なので。打つ確率の5割を信じてやりたい」と話した。

 また、日本ハムと待ったなしの戦いを繰り広げた9月には打率、安打、打点でリーグトップをマークして月間MVPを獲得した。「先が長ければ自分の中でいいものを見つけたいとも思うが、どうこう言ってられる時期じゃない。今は終わったことはどうでもいい。その打席で何ができるかしかない」と臨んでいた。

 内川は目指す境地について「頑張ろうという気持ちがうまく回らないことも人間なんである。それをどう考えたらいい方向に向かっていくのか、冷静に見つめられるようにしていきたい。極論を言えば、どんな状況、試合だろうが、同じ精神状態でそこにいられるようにしたい。そこにいつかたどり着けるようにしたい」。こう話したが、大舞台になればなるほどのある種の開き直りが、好結果を生んでいるのかもしれない。

 ソフトバンクが目指すのはCSを突破しての日本一3連覇だ。内川がキーマンとなるのは間違いない。

 一方、ロッテは先制パンチを生かせなかった。今季7度対戦し、0勝4敗と相性の悪かった千賀から初回に清田、デスパイネの本塁打で2点を挙げるも、先発の涌井がリードを守れず。そして2番手の内が2―2の8回一死満塁から、今宮に勝ち越し打を浴びて逆転負けを喫した。

 伊東勤監督(54)は「ここまで来たら誰がいい、誰が悪いというのはない。序盤に点を取ってから追加点が取れないのはシーズン中ずっと。最後の粘りも見えたので良かった」と選手を責めなかったが、チームはいよいよ追い詰められた。

 ロッテはCS制度導入の2007年から、ファーストステージでの敗退がこれまで一度もなく、10年は3位から日本一に輝いた「下克上の鬼」。今年も早い段階で3位がほぼ確実となったため、主力選手を次々に登録抹消して休ませるなど調整も万全だった。日本ハムと激しいデッドヒートを繰り広げたソフトバンクには不気味な存在に映っていたのだが…。その実情はボロボロだった。

 CS直前に一応は揃った中継ぎ陣がその最たる例で、7月末に守護神の西野が右ヒジ痛、8月序盤には大谷が右ヒザの故障でチームを離脱。代役守護神を務めた益田も抹消まではいかなかったが、9月中旬に右ヒジ関節炎を発症し、ノースローが続いた。

 この日の敗戦投手・内も7月に右ヒジの張りで離脱。9月に戻ってきても「100%ではない。ヒジとかいろいろ…」と漏らしていた。9月末に復帰した西野も「いきなり抑えというのは僕が首脳陣でも無理と判断する」と話したほど。つまりCSをにらんで調整目的の余裕の抹消ではなく、いずれも抹消せざるを得ない状況で「ロッテ野戦病院」は伊東監督の“三味線”ではなく、マジだったというわけだ。

 野手でも清田が頭部死球で一時離脱、デスパイネは左手首痛で9月中旬に抹消。デスパイネ本人が「少しだけまだ痛い」と話すように手首は完治していない。伊東監督は「けが人が戻ってきたのはいい材料」と前を向いていたが…。チームには悲壮感が漂っている。

最終更新:10/9(日) 11:51

東スポWeb