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一般人が料理を配達「ウーバー・イーツ」日本で開始、どんな法規制があるのか?

弁護士ドットコム 10/9(日) 10:10配信

配車アプリ大手の米ウーバーテクノロジーズは9月29日、飲食店の料理宅配サービス「ウーバーイーツ」を日本で開始した。

「ウーバーイーツ」は、ウーバーが仲介して、飲食店の料理を、配達員に登録した一般人が自転車や原付バイクを使って届ける仕組み。注文が入ると、飲食店と配達先へのアクセスが最適な場所にいる配達員に配達が依頼される。登録者は自分のスケジュールに合わせて、配達員専用のアプリで稼働できるかどうかを知らせ、自分の空いた時間に配達することができる。

●実際に頼んでみた

日本では、10月5日現在、渋谷・恵比寿、青山・赤坂、六本木・麻布エリアで利用できる。六本木にほど近い場所にオフィスがある弁護士ドットコムニュースの記者も早速利用してみた。アプリの指示にしたがって、定食チェーン「大戸屋」の弁当4つを注文すると、40分ほどで初老の配達員によって温かい弁当が届けられた。

配達の状況はスマホの画面を通じてリアルタイムで確認することができる。地図上の配達員を示すアイコンが、オフィスが入っているビルの周りをぐるぐる回っているので、「迷っているのかな」と心配していたが、その後しばらくすると到着の電話が鳴った。

受け取りにエントランスに出ると、初老の配達員が「お待たせしました」と息を弾ませながら、「Uber Eats」と大きくロゴの入った四角いバッグに入った弁当を渡してくれた。話を聞いてみると、既に定年を迎えて時間が余っているし、面白そうなので配達員に挑戦してみようと考えたそうだ。

●法的な課題は?

日本ではまだ利用できるエリアは限られているが、先行してサービスが開始された海外では、7カ国33都市に広がっている。小包などの宅配サービスに発展し、配送会社と競合する可能性も指摘されているが、法的にはどのような課題が考えられるのか。石原一樹弁護士に聞いた。

そもそもなぜ、配達するための手段が、自転車もしくは125cc以下の原付バイクとされているのか。

石原弁護士は「貨物配送を規制する『貨物自動車運送事業法』の規制があるからでしょう」と指摘する。

「この法律は、自動車(二輪自動車を含む)での運送についてのみ定められており、原動機付自転車(いわゆる原付バイク)を含む自転車については許認可の対象となっておりません。そのため、『自転車、125cc以下の原動機つき自転車』で配送することは、直ちに違法にはならないと考えられるからです」

もし、食中毒などの被害が起きた場合は責任の所在はどうなるのか。

「今回の『ウーバーイーツ』では、飲食店の料理を配送する、ということなので飲食店側の委託に基づく配送業という前提で理解します。

料理の提供に際して飲食店に課せられる義務が規定されている食品衛生法では、食品の提供者が『自らの責任においてそれらの安全性を確保する』義務があるため、飲食店がこの義務を果たすことになると思います」

食べ物の出前以外の宅配業なども行うことはできるのか。

「その場合は、郵便法で定める信書(特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書)との関係で、対象物によっては郵便法違反になる可能性があります。記憶に新しいところでは、先日ヤマト運輸が『メール便』を廃止したのは、このリスクを回避するためでした」

石原弁護士はこのように述べていた。

【取材協力弁護士】
石原 一樹(いしはら・かずき)弁護士
弁護士2012年に弁護士登録後、ヤフー株式会社に入社し、企業内弁護士としてインターネットに関する法務業務に従事。ホーガン・ロヴェルズ法律事務所外国法共同事業を経て窪田法律事務所に入所。日本国内外を問わず積極的にスタートアップ企業やベンチャー企業へのリーガルサービスも提供している。
事務所名:窪田法律事務所
事務所URL:http://www.kubota-law.com/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:10/9(日) 10:10

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北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。