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東京市場でシェア拡大 新品種“総選挙”が奏功 秋田産ダリア

日本農業新聞 10/9(日) 7:00配信

 秋田県産ダリアの人気が広がっている。東京市場でのシェアは昨年で全体の入荷量の1割を占め、5年間で3倍になった。人気の背景には、県独自ブランド「NAMAHAGE(なまはげ)」の新品種の投入をする際に市場で行う“総選挙”の成功がある。買参人に今後の有望品種を選んでもらうことで、実需の求めるダリア栽培につなげることができた。今年も前年を上回る入荷が見込まれており、県は「今後も多様で飽きのこない品種を用意し、秋田産ダリアの知名度を高めていきたい」と意気込む。

実需ニーズ素早く把握

 青山フラワーマーケット南青山店では9月下旬から「NAMAHAGE」ダリアのフェアを始めた。オレンジ色が華やかな「オータム」や薄いピンクの「チーク」など5品種前後を1本432円で販売。深い紫の「マジック」が最も人気で、「入荷した分が1日でほぼ売り切れることもある」(同店)という。

 婚礼業界でも支持を集めている。日比谷花壇(東京都港区)では、披露宴での卓上の装飾や和装用のブーケなどに使う例をホームページ上で紹介する。「派手過ぎない深い色味は、格好よく凛(りん)とした印象。バラとの相性も良く重宝している」(同社広報室)と好感触だ。

 こうした人気を支えるのが、県が2011年から始めた人気投票「NAMAHAGEダリア選抜総選挙」だ。通常は育種者と生産者で生産する品種を決める。だが、これだと実需が求める色や花形にずれが生じることもあるため、実際に流通に携わる人が欲しい品種を決める仕組みとして総選挙を導入した。

 毎年3~5品種がシリーズとしての認定を受け、翌年から秋田県を中心に生産が始まる。これまでに25品種が誕生した。この方法が奏功し、東京市場への入荷は右肩上がりだ。東京都によると、15年の秋田県産ダリアの入荷量は50万8407本。11年からの5年間で3倍以上増えた。「実需として欲しいものが選ばれるので、流行を反映するスピードが速い」(同県園芸振興課)と感触をつかむ。

 秋田県では今年のダリアの作付面積10ヘクタールのうち3ヘクタールを「NAMAHAGE」シリーズの生産に充て、昨年を32%上回る20万本を出荷する見込みだ。08年は県全体で14人だった生産者は右肩上がりで増加し、今年は109人となった。

 同県のJA新あきたでは、「NAMAHAGE」シリーズの生産量がダリア全体の約3割を占める。「ダリアの知名度を上げるきっかけになっており、生産者の意欲も高まっている」(同JA)と話す。(三宅映未)

日本農業新聞

最終更新:10/9(日) 23:28

日本農業新聞