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値引き販売抑制にも効果? SNSで“拡散ネタ”の高度化を進めるメーカーの狙い

日刊工業新聞電子版 10/9(日) 12:24配信

“驚き”を拡散

 日清食品とキリンビバレッジが、会員制交流サイト(SNS)やスマートフォンなどを活用し、商品の販売を促進している。日清食品は即席カップめん「日清ラ王 芳醇(ほうじゅん)コク担々麺」を17日発売するのに合わせ、スマホ用無料アプリケーションを使った拡張現実(AR)のソフト(ボイスドラマ)の提供を始めた。キリンビバは4日に発売した新商品の缶コーヒーで、発売前に100万本の大量サンプリングを実施。SNSの書き込み数が約1万件に達した。スマホの普及とSNSなどが、メーカーの販促手法を変えている。

 日清食品が提供しているボイスドラマは「マジで恋する8分間」。美少女キャラクターが5人登場し、ラ王に湯を注いで待つ5分間と食べる3分間に、少女が話しかけるなど一緒に食べている気分が味わえる仕掛け。臨場感を高めるため、イラストレーターやシナリオライター、コンピューターグラフィックスクリエイターにそれぞれ専門家を起用。音声も立体録音と3次元(3D)オーディオ録音技術を使った。

 日清食品はこのほかにも、調理で色が変わる「日清ラ王 塩」レシピをインターネットの公式サイトで公開したり、SNS上で話題になった「日清どん兵衛」の“裏調理法”に特設サイトでコメントを出したりするなど、ネットを活用した販促に力を入れている。

 美少女ボイスドラマやどん兵衛の裏調理法の回答では、10―20代男性のSNS拡散効果が見込める。日清ラ王の色が変わる調理レシピ公開も、見慣れたラーメンスープがピンクや紫色に変化する“驚き”がSNSで拡散することで、主婦層へのPR効果が期待できる。コンビニやスーパーで消費者に手にとってもらいやすくなる。

■常識打ち破る
 キリンビバは缶コーヒー「キリンファイア エクストリームブレンド」発売の2週間前に、商品名やブランド名をあえて明かさない“シークレットサンプリング”を実施した。SNS上で「キリンビバの新コーヒー、飲んだ?」などと話題になり、狙い通り発売前から消費者の関心度が高まった。同社の山形光晴マーケティング部部長は「一般消費者からは『缶コーヒーなんて、どれを飲んでも同じ』と思われている。その常識を打ち破りたかった」と明かす。

 缶コーヒーも即席カップめんも、スーパーで特売の対象にされやすい商品だ。日清食品の安藤徳隆社長はSNSで話題になる効果について、売り上げ増加につながるだけでなく「人気で品薄になるため、値引きを抑えられる利点がある」と見る。

 ただし、SNSを通じた販促の効果は、一歩間違えば欠品や不買運動などにつながる恐れもある。だが、若者や女性の情報入手法は従来主流だったテレビではなく、スマホやネット経由が一般的だ。食品メーカーに限らず、消費者に近い日用品やオフィス用品、機械の消耗品などまで、ネットを介し口コミ情報が行き交う。競争力を高めたいメーカーにとって、新しい販促手法は今後、さらに重要性を増すことになる。

最終更新:10/9(日) 12:24

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。