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薬だけじゃない!パーキンソン病治療の最前線

ニュースイッチ 10/9(日) 10:13配信

「外科的治療法」に脚光、来年にはiPS細胞の臨床研究も

 手足の震えや動きが緩慢になるパーキンソン病。加齢が危険因子と言われ、高齢になるほど発症の頻度が上がる。2030年には全世界で3000万人が発症すると予想され、高齢化社会を迎えた日本でも対策は急務だ。治療薬とともに、脳深部刺激療法(DBS)などの外科的治療法も注目されている。

 パーキンソン病は脳の中にあるドパミン神経が無くなっていく進行性の病気。一度発症すると自然に治ることはなく、現在でも完治できる治療法はない。

 手足が震える振戦や筋肉がこわばる筋固縮、動きが遅くなったり少なくなったりする無動やバランスが取りづらくなる姿勢反射障害が主な症状だ。

 加齢とともに増加傾向にある。50代で1000人に1人の有病率が、80代では100人に3人の比率に高まる。特に日本は100歳以上の長寿者が6万人を超え、病気の増加が懸念されている。

 病気の進行とともに運動症状は悪化するため、早期診断、早期の治療開始が欠かせない。治療薬の研究開発も進んでおり運動機能の改善に効果が期待できるものの、長期間投薬すると効果が失われ、副作用が出る場合がある。症状の進行で投薬量も増える。

 そこで非薬物療法のDBSが有力な選択肢の一つとして期待されている。これは脳の深部に埋め込んだ電極を通じて電気刺激を行い、パーキンソン病の症状を抑える治療法。2000年から日本でも保険適用され全国に普及している。

 日本メドトロニック(東京都港区)によればDBS治療で25年以上の実績があり、全世界14万人以上、国内で7000人以上の治療を実施している。ただ認知度の低さが課題だ。同社はパーキンソン病患者・家族向けに専用ウェブサイトを開設するなどして、情報発信に努めている。

<専門医は語る>順天堂大学医学部神経学講座教授 服部信孝氏

 パーキンソン病は7歳という極端に若い人から100歳を超えた人までがなる病気だ。遺伝子や加齢、生活スタイルなどが原因で、頭部への外傷も発症リスクを高める。震えや動作緩慢、睡眠障害などが主な症状で、特に便秘や嗅覚低下が現れてから数年後に発症するといわれる。

 治療薬「レボドパ(L―ドパ)」は病気の早期には適切に効くが、進行期になると効果が下がり、運動障害のジスキネジアなどの副作用も出現する。薬物療法にも限界がある。そこで非薬物療法の脳深部刺激療法(DBS)がある。脳に埋め込んだ電極で電気刺激を行い、症状を抑える。

 DBSは投薬を減量できる利点があり、ジスキネジアも改善できる。ただ認知度が低い。薬物治療で効果が得られなくなったらDBSというように適正に判断してほしい。(談)

<記者の目>
 パーキンソン病の治療法といえば、ほとんどの人が薬物療法を思い浮かべるだろう。日本メドトロニックの調べでも、パーキンソン病の治療法の認知度では薬物療法が全体の9割以上に対し、DBSは2割を切るそうだ。

 iPS細胞によるパーキンソン病の臨床研究が来年にも始まる見通しだが、現在完治できる治療法がない中でさまざまな選択肢を組み合わせることが最良の手立てと言えそうだ。

最終更新:10/9(日) 10:13

ニュースイッチ