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【オーストラリア】フォード、豪生産の歴史に幕 豪自動車生産、終わりの始まり

NNA 10/10(月) 11:30配信

 フォードが10月7日、91年間続けてきたオーストラリアでの自動車生産を終了し、オーストラリアの自動車生産業の終わりが始まった。来年中に生産をやめるGMホールデンも、サプライヤーとの兼ね合いから同日、小型車「クルーズ」の生産を終えた。来年にはトヨタも国内生産を終了すると決めており、関連産業で約10万人の雇用が失われると懸念されている。一方、国産車がなくなることで輸入関税など保護政策もなくなることから、オーストラリア経済全体に恩恵がもたらされるとの見方もある。地元各紙が伝えた。
 フォード・オーストラリア(豪フォード)は7日午前、最終ロット10台の生産を終えた。同社は、最後に作られた大型セダン車「ファルコン」など3台を競売にかけ、得た資金をエンジニア育成プログラムの原資とする予定。同社はまた、2020年までに新規に20車種を販売する計画だ。
 豪フォードは2013年に、66ブランド以上が競う国内市場で販売が減少しているとし、コスト高や豪ドル高による輸出の不調から、新排ガス規制が16年11月に導入される前に生産を中止すると決めた。
 同社は、工場閉鎖とともに失職する660人に対し、一人あたり最大25万豪ドル(約1,952万円)の失業補償金を支払う。ただ、解雇される労働者のうち約3分の1は今後、仕事を見つけることが難しいとみられている。
 一方、豪フォードのグレム・ウィックマン最高経営責任者(CEO)は「オーストラリアにあるフォードのアジア太平洋研究開発(R&D)拠点を維持し、技術者とエンジニアを合わせて約1,100人雇用する。また失業した工場労働者から160人を同拠点で採用する」と述べた。ただ、閉鎖されるビクトリア州ブロードメドーズとジーロングの工場跡地は処分が決まっていない。
 
 ■「豪タイFTAが殺した」
 
 豪フォードは、1925年からオーストラリアでの自動車生産を始め、延べ590万台以上を生産。最盛期はVIC州のほか、ニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州でも工場を稼働させ、年間15万台を生産していた。
 オーストラリア製造業労組(AMWU)自動車部門のデイブ・スミス全国書記長は「タイとの自由貿易協定(FTA)が、豪フォードを殺した」と指摘。2005年に発効した同FTAで、タイはオーストラリア製自動車に高関税をかけたという。一方、フォード車をはじめ国産車の受難の時が始まったのは、1990年台に自動車輸入関税が大幅に引き下げられた頃からとの見方もある。
 
 ■「製造ノウハウが失われる」
 
 生産性委員会のゲリー・バンクス前委員長は「国産車の生産が終わることで、補助金や輸入車関税がなくなり、納税者の負担が減る」と指摘し、恩恵を説明した。一方、専門家は競争力の喪失を理由に国内生産をやめることは社会的、経済的にオーストラリアにとって大きな損失だとし、製造業が培ったノウハウが失われると懸念している。
 
 ■「クルーズ」生産を中止
 
 17年に車生産を終了するホールデンは7日に、南オーストラリア州アデレードのエリザベス工場での小型車「クルーズ」の生産を中止し、年内に270人が失職する。年内にポートメルボルンのエンジン工場も生産をやめ、17年には大型車「コモドア」の生産を終える。トヨタも17年中にVIC州アルトナ工場で「カムリ」などの生産を中止する。

最終更新:10/10(月) 11:30

NNA

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