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日本でいえばマネーフォワード・マネーツリー 人気の海外PFMアプリとは

ZUU online 10/10(月) 18:40配信

日本で代表的なPFM(Personal Financial Management、個人資産管理)ツールといえば、マネーフォワードやマネーツリーなどを思い浮かべる人が多いだろう。海外にはどのようなアプリやスタートアップがあるのだろうか。

■あらゆる金融機関の口座を一元管理できる

PFMツールとは、銀行預金や証券、クレジットカード、保険などインターネットで提供されているさまざまな口座情報を一元的に集約して、効率的に資産設計・管理を行うためのサービスだ。以前はそれぞれの口座にログインして残高照会をしなければ、資産の状況を把握することができなかった。

そこで各金融機関のAPI(Application Programming Interface)やスクリーンスクレイピングという技術を利用して、異なる金融機関の複数の口座情報を取得し、コンピューターの単一画面に集約して表示することで、一元管理を可能にしているのだ。

■ポータルから始まった海外の主要PFM

米国では1990年代後半から、複数の口座情報を画面上でまとめて表示するポータルサービスの提供が始まった。現在は、ライフイベントでの支出に向けた資産運用管理や税金資金の積立など、個人のお金に関わる目的に対応したサービスを、スマートフォン経由で提供する形態が主流だ。以下、海外の代表的なPFMを紹介する。

● 「Mint」(ミント) 2009年にIntuitが買収
2007年、米シリコンバレーでリリースされたPFMツールの草分け的存在だ。2009年にIntuit(インテュイット)が買収して話題となった。ユーザーエクスペリエンス(UX)には特にこだわっており、デザインは分かりやすく使いやすく工夫されている。ブログサイト「MintLife」で発信している個人資産管理関連のコンテンツとともに、そのUXの良さが多くのユーザーを引き付ける要因となっている。個人向け請求・支払管理ツール「Mint Bills」対応など付加サービスの開発にも積極的だ。

● 「Qapital」(キャピタル) 行動経済学・ゲーミフィケーションを活用
2013年にスウェーデンでリリースされたPFMダッシュボードが始まりで、2015年に米国でスマートフォン専用アプリケーションとしてリリースされた。一般的なPFM機能に加えて、行動経済学に基づくデータベースとゲーミフィケーションツールを駆使した、貯蓄の動機づけ機能を特徴としている。例えば、ランニングをするたびにマラソン資金として自動貯蓄するといったルールを設定し、貯蓄口座に送金することが可能だ。

● 「HomePay」(ホームペイ) 子供向け、親向けなどまさに「ホーム」に適したサービス
2015年にシンガポールでリリースされた家族向けのモバイルPFMツール。30~55歳の子どもを持つ世代をターゲットにしている。スマホアプリとプリペイドカードを組み合わせて、子ども向けの送金・支出管理サービス、ホームヘルパー向けの支出管理サービス、親向けの家計管理支援サービスを提供する。モバイル決済とSNSを連携させて、家庭のキャッシュレス化実現をめざしている。

■家計簿ソフトから始まった日本のPFM

他方、日本では1990年代半ばのWindows 95ブーム以降に登場した、パソコンで入出金を管理できる家計簿ソフトがPFMツールの始まりだ。その後、インターネットバンキングが普及すると共に、アカウント・アグリゲーション機能が提供されるようになり、スマホベースのPFMツールへと進化した。

その中で、2012年に家計簿・資産管理ツールとしてリリースされたのが「マネーフォワード」だ。国内の主要金融機関と連携できるアカウント・アグリゲーション機能に加えて、日々の家庭の入出金データを簡単に入力できる支援機能、日々の家計の流れを可視化する機能、課題解決に向けた予算管理機能などを提供している。

他方「マネーツリー」は、2013年に銀行口座やクレジットカード、ポイントサービスの明細をまとめて表示するiPhone向け個人資産管理アプリとしてリリースされた。その後、2015年12月にはWeb版、2016年2月にはAndroid版へと拡張した。さらに4月には、証券口座への対応を行っている。

そして、マネーフォワードの中小企業向け会計システム「MFクラウド会計」、マネーツリーの法人向け資金管理サービス「マネーツリーPro」のように、両社とも個人顧客を対象としたPFMツールから法人顧客向けの業務支援ツールへの横展開を図ろうとしている。

■B2Cを深掘りする海外とB2Bへの横展開を図る日本

米国など海外と比較すると、日本のPFMサービスは遅れていた。アカウントアグリゲーション・サービスで連携できる金融機関や付加サービスの数が限られていたことが主な理由だ。しかし最近は基本的なPFMの機能面では、かなり追い付いてきた感がある。

ただし「Mint」のUX、「Qapital」のゲーミフィケーション、「HomePay」のSNS機能など、消費者の気持ちに寄り添った新しい発想・新技術を取り込んでいるという点では、海外のほうが先行しているといえるだろう。

消費者主導にこだわってブレイクスルーをめざす海外と、「B2C」で育まれた技術・ノウハウを法人金融分野に移植して「B2B」型モデルの収益化をめざす日本。PFMが金融カルチャーに及ぼす影響を含めて、その違いは興味深い。(提供:Innovation Hub)

最終更新:10/10(月) 18:40

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