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汗のにおいで人命救助 東大などの研究チームが蚊の嗅覚器機能を応用した小型センサー開発

日刊工業新聞電子版 10/10(月) 16:30配信

蚊の遺伝子からセンサー

 汗のにおいを頼りに人命救助―。東京大学生産技術研究所の竹内昌治教授らは、蚊の嗅覚器の機能を応用してヒトの汗のにおいを感知する小型センサーを開発した。同センサーを移動ロボットに搭載。汗のにおいの成分であるオクテノールをロボット周辺に漂わせたところセンサーが反応。ロボットを動かすことができた。視界不良の災害現場で不明者を捜すセンサーとして応用を想定している。

 蚊の嗅覚器には、ヒトの汗のにおい成分を検出するたんぱく質が存在する。このたんぱく質を作る遺伝子を昆虫や動物の細胞に導入し、同たんぱく質を大量に作製。同たんぱく質を人工の細胞膜に組み込み、センサーにした。膜の導電率の変化を基に、ヒトの汗のにおいの有無を検出する。

 現時点でセンサーの寿命は最長約1時間。竹内教授は「半日程度まで長持ちさせることを目標に開発を進める」と話す。汗のにおいの有無だけでなく、においの方向を検知する機能の開発も進め、5―10年後の実用化を目指す。

 神奈川科学技術アカデミーや住友化学などとの共同研究。アイルランドで開かれる微小分析システムの国際会議「マイクロタス2016」で10日に発表する。

最終更新:10/10(月) 16:30

日刊工業新聞電子版