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ロボ・AIによる自動化で進む就業構造の転換 人間の仕事は奪われてしまうのか?

日刊工業新聞電子版 10/10(月) 19:00配信

少子高齢化ではメリット目立つ

 ロボットや人工知能(AI)に仕事が奪われる、今まで人間がやってきた仕事の多くが将来無くなるといった話がまことしやかに囁かれています。実際に単純なデータ入力や電話応対の初期段階や企業の受付などは、随分前から自動化しています。問題はこれまで人間の得意分野と考えられていたところで、ロボットやAIがこなせるようになってきたということです。

 文脈から相手の意図を汲み取ったり消費者の趣味趣向や行動からお薦め商品を紹介したり、といったことがコンピュータでもこなせるようになってきました。コールセンターの電話応対業務や販売店員、営業職員の仕事がロボット化されるのもそう遠くないかも知れません。一方、ビッグデータ解析やAIといった最先端の技術を使わなくても、人間が行ってきた定型作業を自動化することで、非生産的な業務から従業者を解放するという取り組みも注目されています。

 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)と呼ばれるもので、「コンピュータ上で動く仮想ロボット」と言えば分かりやすいでしょうか。営業事務や経理などで実用化され、大手金融機関も既に導入しています。人間がやってきた作業を一部肩代わりすることで、これまで単純作業に追われていた人は、今まで手が回らなかった重要な仕事に労力を振り向けられるようになったといいます。

 自動処理やAIの導入によって、人の仕事が奪われるというのは一面的な見方です。特にホワイトカラー職場は依然として、膨大な作業に追われ、顧客対応や商品・サービスの向上といった顧客寄りの業務に人材を十分振り向けられていない、というのが実情ではないでしょうか。

 今後は生産年齢人口の減小による労働力不足も懸念されます。人手に頼っていた間接部門の業務を自動化処理やロボットに置き換えることで得られるメリットの方が大きいのではないでしょうか。

最終更新:10/10(月) 19:00

日刊工業新聞電子版