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経営戦略としてのM&Aの活用のポイントは?

ZUU online 10/11(火) 6:10配信

経営戦略としてM&Aを活用する。こうした考え方が一般的となってきた。M&Aを活用することで企業の規模拡大を図るほか、収益力を高めること、ノウハウの構築など多岐にわたった効果をもたらすことができる。こうした効果はどのようにM&Aを活用するかによって異なってくる。そこでM&Aの活用のポイントについて、経営戦略という観点から解説していきたい。

■そもそもM&Aとは

そもそもM&Aとは、企業の合併や買収を意味するが、さらに広義でいえば提携なども該当する。具体的な手法としては、買収や合併の他、会社の分割、株式持ち合いによる業務提携、合弁企業の設立などがあり、その企業の置かれた立場や状況によりM&Aの手法を変えることもある。

■戦略的M&Aとは

このM&Aの中でも、経営戦略としてM&Aを行うことで、企業が抱える経営課題を克服し、企業価値を高める「戦略的M&A」の重要性が増してきている。戦略的M&Aは以下の3つに大別することができる。

1. 統合型M&A
統合・再建型M&Aとは、規模の経済を追求し、企業規模を拡大することで設備の共有化を図りコスト削減や仕入れ交渉力の強化の実現を図るもの。こうしたM&Aでは自社に関連のある企業を買収もしくは合併することで規模の拡大が期待される。

2. 効率性を追求するM&A
効率性を追求するM&Aとは、非効率な事業を売却し、組織の効率を向上させる手法を指す。これは本業回帰ともいえるM&Aであり、多角化経営によって生じた収益性の低い事業を手放す。売却したことにより得た資金を本業に投資し、更なる効率性を追求していく。

3. 時間を買うM&A
時間を買うM&Aとは、事業拡大を図るためにM&Aにより既存企業・事業を買収する手法。新規事業を一から始めた場合には売上や利益を見込むまでに時間がある程度かかる。しかしながら買収により既にその事業を行っている企業を買収すれば、その瞬間に売上や利益、そしてノウハウや従業員を確保できることになる。

こうした戦略的M&Aでは、いかにリスクを抑えながら自社にとって企業価値を高める最善の策としてM&Aが活用できるかが重要であり、戦略立案から方針策定までを行うプロセスをとることになる。

■M&Aの活用のポイント

戦略的M&Aの内容からもわかるように、M&Aを経営戦略として効率的に活用するポイントは「選択」と「集中」にある。

選択とは、既存事業においてコアとなる事業が何なのか、またノンコアに該当する事業は何なのかを区分けすること。このように選別することで、ノンコア事業が本当に必要なのかどうかを判断することができ、場合によってはノンコア事業の売却を図った方が効率的と判断することも可能となる。

もう一つの集中とは、経営資源をコア事業に集中させることを意味する。コア事業の規模の拡大を図ることを検討する、コア事業のシナジー効果を狙い周辺事業へのM&Aを模索する。こうした戦略をとることにより、コア事業を発展させ、効率的、効果的な企業経営を行うことが可能となる。こうした選択と集中により企業価値を高めていくことは、世の流れにもなってきている。

■M&A事例から見るコア事業への投資

こうした経営戦略としてM&Aの活用を行う事例にはどのようなものがあるのだろうか。その一つとして、三菱商事のM&A事例を挙げよう。三菱商事では20年後を見据えて競争力の高いコア事業への投資を進めており、ノンコア事業を売却する方針をとっている。

三菱商事はこれまで数多くのM&Aを行ってきているが、資源関連と非資源関連の事業と区分けすると非資源関連の事業が好調となっている。資源関連が資源価格の下落により不調な中、非資源関連の収益がカバーする状況となっており、2016年から3年間は資源と非資源のバランス見直しを経営戦略に掲げている。そして、リスクとリターンの関係から、ポートフォリオ・リバランスを実現するために、資源・非資源いずれにおいても資産・事業の入れ替えを模索している。

具体的には、資源分野では優良資産への投資を継続しつつ入れ替えを行う、非資源分野ではさらに強みを発揮できるように成長投資を行う。こうすることで資源価格の変動に影響されやすい体質から脱却を図ろうとしているわけだ。

こうした高収益事業への投資拡大は何も大企業に限ったことではない。中小企業でも経営課題の克服のためにM&Aが多く活用されるようになってきている。まずは現事業をコアとノンコアへ区分けしてみよう。こうすることでM&Aの活用をより具体的に検討できるようになる。(提供:M&Aアドバイザーズ)

最終更新:10/11(火) 6:10

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