ここから本文です

キノコから竹までエネルギー源に、バイオマス産業都市に全国16市町村

スマートジャパン 10/11(火) 11:25配信

 バイオマス産業都市の選定は2013年度に始まり、これまでに合計34地域が認定を受けている。新たに2016年度の認定を受けた16地域は、北海道の知内町(しりうちちょう)から鹿児島県の長島町(ながしまちょう)まで全国に広がる。

【その他の画像】

 各地域が取り組むバイオマス資源の活用方法は多彩だ。その中で最も多いのはバイオガス発電で、家畜の排せつ物や食品廃棄物を発酵させてバイオガスを作る。従来はコストをかけて廃棄処分していた資源が新たなエネルギー源に生まれ変わる。

 地域の名産品を生かした取り組みもある。北海道の音威子府村(おといねっぷむら)では、名産のソバの茎や葉をバイオガスの原料に利用して発電や熱を供給する。新潟県の十日町市(とおかまちし)ではナメコやエノキなどのキノコの生産が盛んで、栽培に利用する菌床(きんしょう)の廃棄物から燃料の生成に取り組む計画だ。

 ナメコの菌床は木を粉砕したオガ粉で作るため、栽培後に廃棄する菌床をバイオマスボイラーの燃料に利用できる。十日町市では燃料として利用しやすいペレットに加工する施設を建設する計画で、2019年度にペレット化施設の運転を開始する予定だ。ペレット化しない廃菌床は堆肥の原料としても利用する。

エノキの廃菌床は発酵させてバイオガスに

 バイオマス産業都市に選ばれた16市町村の中でも、十日町市のプロジェクトは多方面に広がっていて特色がある。地域の間伐材を利用した木質バイオマスによる発電・熱利用をはじめ、使用済みの紙おむつや食用油から燃料を作り、もみ殻も燃料や肥料に活用する構想だ。

 キノコの廃菌床はナメコだけではなくてエノキ用も資源に生かす。エノキの菌床にはトウモロコシの芯を粉砕したコーンコブが使われていて、含水率が高いために固形燃料のペレットに加工しにくい。そこで同様に含水率が高い生ごみや下水の汚泥と組み合わせて、発酵させてバイオガスを作る。バイオガスの生成設備とガス発電設備を市内に建設して2020年度に運転を開始する計画だ。

 発電した電力は自家消費した後の余剰分を固定価格買取制度で売電して、市の財政負担の軽減に生かす。同時に設備の建設・運営を地元の企業に委託して雇用を創出する。バイオマス資源を活用して再生可能エネルギーを増やしながら、新たな産業を生み出す地域活性化のモデル事業になる。

 十日町市のほかにも、日本ならではのバイオマス資源を生かす取り組みが鹿児島県の薩摩川内市(さつませんだいし)で始まろうとしている。全国でも竹林が多い地域で、特産品としてカゴなどを生産する。しかし一方で放置竹林が問題になっている。竹の利用方法を増やして竹林の間伐を促進する必要がある。

 竹の未利用部分を活用した新たな産業を創出するために、市内の企業や団体が集まって「薩摩川内市竹バイオマス産業都市協議会」を2015年7月に設立した。構想の中には未利用の竹をチップに加工して発電に利用する計画もある。

 薩摩川内市には九州電力の「川内原子力発電所」や「川内火力発電所」があり、南九州の主力の電力源になっている。将来に向けてバイオマス産業都市として発展すれば、再生可能エネルギーの電力が増えていく。原子力発電所の交付金に依存しない街づくりが可能になるかもしれない。

最終更新:10/11(火) 11:25

スマートジャパン