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豪州戦のSBに槙野を起用すべき理由

ISM 10/11(火) 7:50配信

 11日に行われるオーストラリア戦にはいくつかの注目ポイントがあるが、サイドバックの人選もそのうちの一つだ。酒井宏樹が出場停止となったことで、右サイドバックはそれまで左を務めていた酒井高徳になるのは確定的。そうなると左サイドバックが空席となるが、そこに誰が入るのか。

 候補としては太田宏介、あるいは槙野智章の名前が挙がってくる。丸山祐市もプレー可能だが、この大一番で代表経験の乏しい丸山を抜擢するのはリスクが大きすぎる。槙野は過去に代表で経験したことがあり、今年6月のキリンカップではハリルホジッチ監督から左サイドバックでのプレーを求められて準備していた。本来であれば本職の太田に任せるべきだろうが、相手の特徴や現在置かれている状況を考慮する必要がある。

 多くの選手が口にするように、今のオーストラリアは過去のチームと異なり、ボールをつないでくるのは確かだ。ただ、ボールを大事にするようになったとは言え、最終的にチャンスはサイドからの突破やクロスといったシンプルな形で作ってくることが少なくない。

 左サイドバックが対峙することになるのはオーストラリアの右ウィング、マシュー・レッキーだが、彼はスピードに乗ったパワフルなドリブルが持ち味だ。今季のブンデスリーガですでに対戦した原口元気が「前に速いし、強い。ちょっと危ないと思うのは、けっこう一か八かのドリブルをしてくる選手なので、そこはセンターバックとかサイドバックに伝えたい」と警鐘を鳴らし、酒井高徳も「すごいパワフルで、テクニックもあって、オーストラリアでも一番危ない選手」と最警戒人物に名を挙げるほどだ。

 対人守備の強さを比較すれば、レッキーとマッチアップするのは太田よりも槙野の方がいいだろう。また、それ以上にリスクを計算しなければいけないのがセットプレーの守備である。日本は酒井宏樹を欠くことで空中戦要員の枚数が足りなくなっている。主力組の中では吉田麻也、森重真人、本田圭佑の3人しか180センチオーバーはいないが、本田はCK時にニアに来たボールを跳ね返す「ストーン」の役割を担う。

 一方、オーストラリアにはマシュー・スピラノビッチ、ミル・ジェディナク、トミ・ジュリッチ、ライアン・マッゴーワンなど185センチ以上の長身選手が多い。イラク戦では酒井高徳とサード・アブドゥルアミールのミスマッチを突かれて失点したが、そのイラク戦以上にセットプレーで苦労する危険性があることを考えると、空中戦に強い選手を一人でも多く入れておきたい。

 攻撃面を考えると、太田のクロス精度は捨てがたいが、ゴール前で合わせる攻撃陣の空中戦のクオリティも勘定に入れなければならない。さらに、オーストラリア戦では勝つことよりも負けないことがより重要になってくるのもポイントになる。

 現在、グループBではオーストラリアとサウジアラビアが勝ち点7で肩を並べ、日本は勝ち点1差で追いかけている。もし、今回負けてしまうと、オーストラリアとは勝ち点4差となり、サウジアラビアにも差を広げられてしまう可能性がある。順位をひっくり返すのに最低2試合必要な相手が2チームになるのは絶対に避けたい。今回のアウェー戦、もちろん勝つに越したことはないが、最低でも引き分ける必要がある。

 トップ下が少し前まで不動のレギュラーだった香川真司なのか、それとも評価を高めている清武弘嗣なのか。1トップが試合前日に練習復帰したばかりの岡崎慎司なのか、それともタイ戦で結果を出した浅野拓磨なのか。ハリルホジッチ監督がどういった陣容で臨むのか注目されるが、より重要になってくるのはそういった攻撃陣の人選よりも守備の安定度に直結するサイドバックの選択だろう。

 状況を考えれば、指揮官が左サイドバックを選ぶ上で守備を最重要視するのは十分あり得る。そして、そうなれば槙野に出番が回ってくる可能性が高いが、果たしてハリルホジッチ監督はどういった選択をするのだろうか。(神谷 正明)

最終更新:10/11(火) 7:50

ISM

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