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FinTechエコシステムの展開 ―決済編

ZUU online 10/11(火) 9:10配信

金融(Finance)とテクノロジー(Technology)を融合させたFinTechの盛り上がりは、瞬く間に決済市場にも広がり、さまざまな次世代の決済の仕組みが誕生し、しのぎを削っている。

FinTech決済スタートアップへの投資総額は、今年上半期だけでも9億1,200万ドル(約947億 3,856万円)を突破。最近ではAppleやGoogleといったグローバルな大手テクノロジー企業も続々とFinTech決済市場に進出し、企業やサービス同士の結びつきも緊密になってきていると言えそうだ。

■決済と他サービスの融合

「オルタナ(オルタナティヴの略。代用という意味)決済」とも表現されるFinTech決済は、さまざまなサービス関係者を効率的に結びつけることで、銀行やカード会社によって占められていた決済市場の壁を取り壊していきそうな勢いだ。

身近な例では、オンラインショッピング、インターネット、決済などの異なる領域を融合し、消費者とつなぐという発想が、世界中で1兆 7,000億ドル(約176兆6,640億円)という売上記録につながったと捉えれば理解しやすい。スマホだけではなくウェアラブル機器と連携する動きも加速しつつあり、今後ますます普及する可能性もありそうだ。

国内はどうだろうか。技術的には環境が整っているにも関わらず、日本でのFinTech決済の浸透率は他国と比べて今ひとつふるわないようだが、「消費者の意識改革」で後れをとっていることが、主な要因としてよく指摘される。

■代表的なFinTechの決済サービス例

「低コスト」「スピード」「手軽さ」など、従来の銀行系決済にはない利点をウリに、大きく飛躍したFinTech決済。好きな時に好きな場所へと送金できる手軽さと、手数料の低さが最大の魅力である。銀行決済よりも取引完了が早いと評判だ。

現在、世界中で最も広く浸透しているサービスといえば、FinTech決済の先駆けとなった「PayPal」や「Stripe」「Alipay(Alibaba)」などだろう。PayPalのようにメールアドレスや携帯電話番号だけで、さまざまな国の通貨で取引が可能な次世代決済は、国際送金や銀行へのアクセスが確立していない新興国で、特に需要が伸びている。

またオンライン決済をさらに身近にしたのが、スマホなどを利用したモバイル決済だ。消費者に「財布を持ち歩く手間が省ける」という利便性がうけ、「既存のカードリーダーよりも導入が簡単で手数料が安い」という理由で加盟店が急増した。

クレジットカードや銀行口座情報を登録する「Apple Pay」「Google Pay」「Samsung Pay」などのグローバルなモバイル決済サービスが表舞台に進出してきたほか、近隣国、中国からはチャットアプリ型決済「We Chat Pay(テンセント)」など、消費者の興味の対象を日常的な需要に絶妙なバランスで取りいれた決済法が続々と登場している。

■ビットコインも決済網へ進出

ビットコインに代表される仮想通貨も、電子決済の盛りあがりとともに拡大中。ほかのオルタナ決済よりも手数料が低く、消費者はQRコードをスキャンするだけでスピード決済することができるなどの利点もある。

実際、ビットコイン決済の加盟店も世界各国で急増している。海外ではビットコイン決済を専門に取り扱う「Bit Pay」と、ビットコイン取引所「Coinbase」が大きな存在感を示している。一部のスターバックスやサブウェイでもビットコインで支払えるほか、PayPalやStripeといった決済企業もビットコインの売買や取引を受け付けている。

国別に普及率を見ると米国が最も高いが、カナダでは仮想通貨版ギフト券「ビットコインカード」の販売が開始されているほか、オーストラリアでもコンビニでビットコインが気軽に購入できるようになるなど、世界各地で確実に浸透率をあげている。

日本では楽天がスタートアップ「Bitnet」に出資を行って話題になったが、実際にビットコインが使える店舗は全国でもまだ約100軒と、もう少し伸びが欲しいところだ。

まだまだこれから普及の進みそうな決済分野におけるFinTechの成否を左右するカギは、効率的なエコシステムの展開にあるのかもしれない。(提供:Innovation Hub)

最終更新:10/11(火) 9:10

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