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「パリ協定」今日にも閣議決定。批准遅れの影響なし!?

ニュースイッチ 10/11(火) 8:16配信

各国の準備作業進まず。企業レベルでは海外勢が先手

 地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が日本の批准手続きを待たず、11月4日に発効する。直後の7日からモロッコ・マラケシュで国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第22回締約国会議(COP22)が開かれ、批准国を中心に具体的な運用方法のルールづくりが始まる。日本は10月11日にも閣議決定して国内手続きを急ぐが、想定外の早期発効で各国当局による準備作業が進んでおらず“実害”はなさそうだ。

 パリ協定は当初、欧州連合(EU)が域内国の手続きを待って批准書を提出する方針だったため発効は2018年、早くても17年とみられていた。だが米中が9月初めの首脳会談に合わせて早々に批准。インドが続き、EUも域内国の手続きを待たずに批准し発効が決まった。

 日本は臨時国会中に承認手続きを済ませる方針だったが、政府挙げて前倒しに動いている。5月の伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)でも旗を振ってきた経緯があり、ここで後れを取ると体面が保てない。11日にも閣議決定し手続きを急ぐ。

 ただ、締約国として認められるのは批准書提出から30日後。COP22の最終日は11月18日で、その30日前の10月19日までに批准しないと日本は締約国として参加できない。現実には環太平洋連携協定(TPP)関連法案の審議が最優先され、19日に間に合わせる日程調整は難しい。

 パリ協定の批准遅れに対し、経済産業省幹部は「100%影響はない」と言い切る。具体的な検討の場となる第1回締結国会議(CMA1)は、COP22の会期中に行われるとみられるが、「CMA1では何も決まらない。 
 何を議論するかは年明け以降になるのではないか」(経産省幹部)と語る。この時間軸でいけば、批准効力の発生が国連に提出してから30日後になるにせよ「多少の負い目はあったとしても、議論に参加できる」(同)。

 「早期批准の手続きを進めてほしい」―。経団連の榊原定征会長は7日、高村正彦副総裁、二階俊博幹事長ら自民党幹部との懇談の中でパリ協定についてこう要請した。

 その上で、日本は協定の批准は遅れているが、温暖化対策自体が遅れているわけではない点も強調。世界のビジネスに大きな影響を与えるルール作りへの早期参加を重視している。

 個々の企業レベルでは先んじて動きだしている。LIXILやアスクルが相次いで環境負荷ゼロへの挑戦を表明。日立製作所も50年までに二酸化炭素(CO2)排出量を80%削減する長期目標を策定した。

 海外の巨大企業はさらに積極的。アップルやマイクロソフト、グーグル、ネスレは事業で使う電力すべてを再生可能エネルギーにすると表明。CO2排出規制が強化されると、火力発電の電力価格が上昇する。

 再生エネ100%を掲げた海外企業は、安価・安定的に電力を調達できる再生エネ発電所を早めに確保できる。優位な立場を獲得する思惑があり、具体的なルール作りに注目する。

最終更新:10/11(火) 8:16

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