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市場に閉塞感を感じない-ゼネコンが日系メーカーの「米国」進出支援に乗り出したワケ

日刊工業新聞電子版 10/11(火) 15:44配信

土地探しから生産開始まで

 竹中工務店が、米国に生産拠点を構えようとする日系メーカーの支援を強化している。これまでに実績の多い自動車に加えて、医療や食品といった分野で、成長を続ける米国市場を開拓しようとする日系メーカーに対し、土地探しから生産開始まで協力する。特に、インディアナ州やオハイオ州といった、日系車メーカーが集積する米国中西部では、地元との強力なネットワークを持つのが同社の強みだ。

■現地に強固なネットワーク
 米国は先進国の中でも、市場が着実に拡大している。貧困や格差などが問題になっているとはいえ、人口が増え続けており、新たな産業を生み出す力にあふれている巨大な市場だ。竹中工務店の米国現地法人で、米市場に進出する日系企業を支援する司令塔の役割を担うアメリカ竹中(イリノイ州)の新藤陽一代表は、市場には「閉塞(へいそく)感を感じない」と言う。日系メーカーにとっては改めて、米国市場の価値が高まっている。

 竹中工務店は1960年に米国へ進出し、80年代から本格的に地元協力会社のネットワークを構築してきた。特にアメリカ竹中の本社を構える中西部では、州政府のコネクションも活用し、進出企業に協力・支援できる体制づくりを進めてきた。中西部は車関連メーカーが集積するが、医療や食品などの産業も有望となる。竹中工務店はメーカーの進出意向をいち早くとらえ、ビジネス化したい考えだ。

■低下する東南アの魅力、NAFTAで“アメリカ”広がる
米国市場の動向などについて、アメリカ竹中の新藤陽一代表に話を聞いた。
―今、なぜ日系企業の米国進出の支援を強化するのですか。
 「米国は先進国の中でも人口が増え続け、市場が成長している。労働者の技術力も高く、市場に近い場所に生産拠点を設置できる。東南アジアは人件費が上昇傾向にあり、以前ほどの魅力はない。北米自由貿易協定(NAFTA)により労働集約的な作業をメキシコで行うことで、最適な生産体制を構築できる」

―米中西部に自動車産業が集積しています。
 「“ビッグ3”(ゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、クライスラー)が息を吹き返してきた。中西部には日系自動車メーカーも生産拠点を構え、能力増強に動いている。優秀な人材が現地に多く、日系サプライヤーが進出しやすい環境にある」

―米現地法人の本社は中西部イリノイ州の大都市シカゴにありますね。
 「中西部では州政府と、ネットワークを築いてきた。日系企業が多いこともあって、同地域を中心に効率良く事業を展開する。他地域ではプロジェクトベースで対応する。今後は南東部地域の車産業の動向に注目している」

―医療や食品分野の動向は。
 「米市場の医療は世界最先端で、産業も活発だ。中西部では製鉄業が盛んだったクリーブランド(オハイオ州)が、先端の医療を産業化している。また、有数の穀倉地帯であり、食品メーカーは原料を入手しやすい」

―米市場における竹中工務店の強みは何でしょうか。
 「米の建設会社にはないネットワークがある。日本や欧州で手がけたノウハウを提供できる。設計・施工での受注が原則なので、設計段階から施工に関する作業を同期化し、工期短縮やコスト削減が可能だ」

最終更新:10/11(火) 15:44

日刊工業新聞電子版