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<東松山少年事件>家裁、中学生2人を少年院送致 矯正教育が必要

埼玉新聞 10/11(火) 22:58配信

 埼玉県東松山市の都幾川河川敷で井上翼さん(16)の遺体が見つかり、傷害致死の疑いで14~17歳の少年5人がさいたま家裁に送致された事件で、同家裁(伊藤敏孝裁判長)は11日、「従属的な立場だった」として、いずれも中学3年の川越市の男子生徒(15)と東松山市の男子生徒(14)の2人を初等・中等(第1種)少年院送致とする保護処分を決定した。14歳男子生徒に関しては「比較的長期間の収容」との処遇勧告を付けた。

 決定理由では、井上さんに対し1時間以上にわたり、ほぼ一方的に暴行を加えた行為を「重大な非行」と指摘。一方、2人が共犯少年に暴行を加えるよう促されたことから「従属的な立場だった」などとし、刑事処分よりも矯正教育が必要と判断した。

 2人は共犯少年と共謀して、井上さんに対し1時間以上にわたり顔や腹を殴ったり、顔面を川に沈めるなどの暴行を加えたと指摘。「被害者は16歳という若さで命を奪われた。遺族の絶望感や喪失感も大きく、重い処分を望んでいる」とした。

 重大な非行で「刑事処分も考えられる」としたものの、2人が「共犯少年から呼び出され、暴力を振るうことを強く促された」と従属的な立場だった点を考慮。15歳男子生徒については「暴行をやめさせようと試み、手加減も加えた」とし、14歳男子生徒に関しては「比較的長期間の矯正教育が必要」とした。

 処分は非公開の少年審判で決定。ほかの3人の処分は決まっていない。刑事処分相当と判断された場合、検察官送致(逆送)され、成人と同じ刑事裁判を受ける。

 5人は8月22日、東松山市の河川敷で、井上さんに暴行を加えて溺死させたとして、傷害致死の疑いで家裁送致されていた。井上さんを遊びに誘ったものの断られて立腹、集団で暴行に及んだとされる。井上さんの遺体は翌23日午前8時ごろ、全裸で下半身と上半身の左側が砂利に埋まった状態で発見された。

■「一生背負って」友人ら複雑な思い

 東松山市の都幾川河川敷で井上翼さん(16)の遺体が見つかった事件で、東松山市の中学3年の男子生徒(14)と川越市の中学3年男子生徒(15)が11日、少年院に送致されることが決まった。井上さんが亡くなってから10日で四十九日を迎え、友人は複雑な思いを抱えたままだ。

 井上さんの友人女性(16)は「翼は戻ってこないのに、少年というだけでこの程度で済まされてしまうなんて」と心境を吐露する。友人らは四十九日を迎えた10日、井上さんの思い出話をして故人をしのんだ。しかし、「ずっと引きずったままで前に進めない」と気持ちの整理はつかない。女性は「(2人は)少年院でしっかり反省し、やってしまったことの重みを一生背負ってほしい」と語った。

 別の友人男性(16)は「翼はこれから仕事とか一生懸命頑張ろうとしていたんだから、その分しっかり反省して償ってほしい」と言葉少なに話した。

最終更新:10/11(火) 22:58

埼玉新聞