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よみがえる「虎女」の能 ゆかりの平塚で11月に公演

カナロコ by 神奈川新聞 10/11(火) 11:18配信

 日本三大敵討ちの一つとして有名な曽我物語から、虎女(とらじょ、虎御前)が恋人の曽我十郎祐成(すけなり)の墓参りで夢をみる場面を描いた能「伏木(ふしぎ)曽我」が、虎女ゆかりの平塚で復曲公演されることになった。平塚市出身で重要無形文化財保持者の観世流能楽師・加藤眞悟さん=横浜市在住=が能楽研究者やワキ方や囃子(はやし)方の能楽師の協力を得て、600年の時を超えて現代によみがえらせる。

 曽我物語は鎌倉初期、源頼朝が行った富士の巻き狩りの陣屋で曽我十郎・五郎兄弟が親の敵を討った事件から題材を取ったとみられる。敵討ちの場で討たれた十郎祐成と恋仲だった虎女は平塚市山下の長者屋敷に生まれ、大磯で生涯にわたり兄弟を供養したともされる。

 「曽我物語」は能のほか人形浄瑠璃や歌舞伎、浮世絵などさまざまな形で取り上げられ江戸期には人気を集めたが、能の「伏木曽我」は室町時代を最後に、近世以降は上演されなかったという。

 復曲には、加藤さんのほか、謡研究者の昭和音楽大学講師・丹羽幸江さんや能楽研究者で法政大学准教授の伊海孝充さん、ワキ方の安田登さんら能楽師らの協力も得て1年がかりで、複数の謡本を基に実際の節をはじめ、所作の型付けや囃子、能面や装束を練り上げたという。

 復曲能は11月26日午後2時から、市中央公民館で第6回「湘南ひらつか能狂言」として行われる。同公演は市まちづくり財団と加藤さんらを交えた10人ほどの実行委員会による隔年開催で、おととしも源頼朝の石橋山合戦で活躍したとされる平塚ゆかりの武将・真田(佐奈田)与一を題材にした能「真田」を復曲した。

 今回の「伏木曽我」では曽我十郎祐成(シテ)を加藤さん、虎女(ツレ)を長谷川晴彦さん、虎の従者(ワキ)を安田さんが演じるほか、独吟「大磯」や仕舞「小袖曽我」も加藤さんや観世流梅若派により披露される。

 全席指定S席3千円、A席2500円、B席2千円。電話予約は、同財団電話0463(32)2237。

最終更新:10/11(火) 11:18

カナロコ by 神奈川新聞