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【白球つれづれ番外編】スカウティングと育成~ドラフト特集その1~

ベースボールキング 10/11(火) 21:45配信

白球つれづれ~番外編・逃げないドラフト~

 いよいよ本年度のプロ野球ドラフト会議が間近に迫ってきた。今年の超目玉は大学球界ナンバーワンの呼び声高い田中正義(創価大)。春先は右肩の故障で関係者をひやりとさせたが、秋のシーズンに入って何とか復調。150キロはゆうに超す快速球と鋭い変化球を駆使して完成品の域に近い。「初年度から先発ローテーションに入って2ケタ勝利も夢じゃない」とある在京球団のスカウトも絶賛する通り、5~6球団が1位指名で競合も予想される。

もっとも今年は特に投手の豊作年と言われている。田中と同等に近い評価を受ける佐々木千隼(桜美林大)や高校ビッグ4と呼ばれる寺島成輝(履正社)、藤平尚真(横浜)、高橋昴也(花咲徳栄)、今井達也(作新学院)らの優秀な人材が目白押し。球団の戦略によっては田中のような複数競合が確実とされる選手を避けて単独指名を狙うこともあり得る。

スカウトたちはドラフト当日まで他球団の動向を探り万が一、競合に敗れたときの次の指名選手を調査。さらには即戦力の獲得に成功の場合と失敗の場合では2巡目以降の指名の仕方までガラリと変わることも珍しくない。まさにドラフトとはスカウトたちの「研究発表会」であり、くじ運一つでチームの将来までが変わる「魔物」との戦いの場でもあるのだ。

独自のドラフト戦略を支える意思疎通

 こんな中で近年、異彩を放っているのがパ・リーグの覇者、日本ハムのドラフト戦略だろう。何せこの10年余りでダルビッシュ有(現大リーグ・レンジャース)、中田翔、斎藤佑樹、大谷翔平らを指名獲得。かつての不人気球団は北海道移転もあって瞬く間に人気だけでなく強豪チームの仲間入りを果たした。

 この球団の合言葉は「逃げないドラフト」だ。その真骨頂は2011年から12年の作戦に見て取れる。11年は「巨人以外なら浪人」と公言していた菅野智之(当時東海大)を敢然と指名。巨人とのくじ引きに勝って交渉権は手に入れたものの案の定、菅野サイドの意志は固く宣言通りに浪人から翌年の巨人入りにつながった。

さらに翌12年もメジャー志望の意志が固く他球団が指名を避ける中でまたも敢然と大谷翔平を単独指名。難航の予想された交渉は監督・栗山英樹の出馬と「共に二刀流を築いていこう」の殺し文句で入団に結びつけた。その後の大谷の圧倒的な存在感と活躍は説明の必要もないだろう。

仮に大谷の獲得も失敗していたら?他球団ならスカウト部門のトップは責任問題に発展していたかもしれない。ところが日本ハムの場合は、オーナーから球団幹部、スカウトまで「逃げないドラフト」で意思確認がなされているからブレない。まさに「意志あるところに道は通じる」のである。

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最終更新:10/11(火) 21:45

ベースボールキング