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[対談]長見明氏×奥谷孝司氏(前半):よい体験をどうネットでブランディングしていくか?

Web担当者Forum 10/12(水) 7:06配信

デジタルマーケティングを取り巻く環境が急激に変化している。スマートフォン普及率の高まりとともに、リアルな体験とデジタルの体験がシームレスにつながりつつある状況下で、企業はどのようにブランディングを進めていけばいいのか? スターバックスコーヒージャパンの長見明氏と、ネット通販でブランディングに取り組んでいるオイシックスの奥谷孝司氏に語り合ってもらった。

良い体験は一気にブランドに結びつく可能性がある

[長見] 「ブランドのファン」って簡単に言いますが、人がどうやってその状態までたどり着くのかの分析は、ブランディングを行うにあたってとても重要です。食べ物は想像がつくんですよ。理屈の前に、僕は「体」が判断している部分が大きいと思っています。

僕は若いときに食品のPRをやっていました。PRやマーケティングコミュニケーションって、普通は機能的なメリットで興味を持ってもらい、情緒に訴えて、最後に自分事化してもらいます。食品の場合、マーケティングコミュニケーションの機能的な訴求は、栄養豊富であるとか、美味しいとか、無農薬で安心安全というところから入っていきます。

もう15年以上前の話ですが、高級スーパーで5,000円や10,000円するようなメロンを作っている農家さんにお会いする機会がありました。今はどうなっているか分かりませんが、当時、メロンは、完全無農薬栽培は難しい作物で、十数回農薬を散布するのが一般的だとうかがいました。メロンは、口の中が少しピリッとする印象がありませんか。あれは、農薬の影響なんだというのがその農家さんのお話でした。その農家さんの場合、ほとんど農薬を使わずにメロンを作っていたんです。

そういう機能的な話は分かりやすいので、もっとそういう話を聞きたいと思って「どこが他のメロンと違うんですか?」と聞いてみると「食べてみて、わかるから」と言われました。作っているものに自信を持っている農家さんはだいたいそうなんですが、決まって「食べてみて」って言われます。それで食べてみた。食べた瞬間に「あ、これ最高!」となりました(笑)。最初から最後まで、飽きることなくとろけるように甘くて、説明を求めた僕でさえ「これは説明不要だな」と思った。良い体験は、機能や情緒をすっ飛ばして、一気にブランドに結びつく可能性があると思うんです。

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最終更新:10/12(水) 7:06

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