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再生可能エネルギー20%超の電力、基本料金0円で全国7地域に

スマートジャパン 10/12(水) 7:25配信

 太陽光発電システムを開発・販売するLooop(ループ)が4月1日に開始した「Looopでんき」の料金体系は衝撃的だった。電力の世界で常識になっていた「基本料金(月額固定)+電力量料金(従量課金)」の体系をとらず、「基本料金0円」の斬新なプランを打ち出したからだ。

 当初は東京・中部・関西電力の管内から電力の供給を開始して、9月末の時点で契約件数が2万5000件を突破した。さらに9月から12月にかけて、東北・九州・北海道・中国電力の管内へサービス範囲を拡大していく。

 「Looopでんき」には家庭向けの「おうちプラン」と事務所・商店向けの「ビジネスプラン」の2種類がある。どちらも基本料金0円に加えて、従量制の電力量料金の単価を月間の使用量に関係なく一律に設定した。電力会社の家庭向けの標準的なプランでは使用量が多くなるに従って単価は3段階で高くなっていく。「おうちプラン」は使用量の多い家庭ほど毎月の電気料金が割安になる仕組みだ。

 10月6日にサービスを開始した九州電力の管内で電気料金を比較してみる。契約電力が40A(アンペア)で月間使用量が520kWh(キロワット時)の家庭の場合に、九州電力の標準メニューである「従量電灯B」よりも月額で992円、年間だと1万1904円安くなる。一般的な家庭(30A、300kWh)の使用量で比べても、「おうちプラン」は月額の電気料金が6900円で、「従量電灯B」の7021円よりも安い。

 「おうちプラン」の単価は各地域の電力会社が「従量電灯」で設定している3段料金のうち、2段目の単価とほぼ同じ水準だ。たとえば東京電力の管内では「従量電灯B」の26円/kWhと同額で、九州電力の管内では「従量電灯B」(22.69円/kWh)よりも少し高い23円/kWhである。月間の使用量が300kWhを超えて増えていくほど、「おうちプラン」のほうが割安になる。

原子力が入る九州電力と電源構成の差も

 家庭と比べて電力の使用量が多い事務所や商店向けの「ビジネスプラン」では、電力量料金の単価を1円/kWh高く設定した(北海道は2円/kWh高い)。電力会社が事務所・商店向けに提供している「従量電灯」の単価は家庭向けと同額のため、使用量の少ない事務所や商店だと「ビジネスプラン」のほうが割高になる場合がある。

 Looopが試算した飲食店の例では、契約電力が8kVA(キロボルトアンペア)で月間の使用量が2183kWhの場合に、月額の電気料金が九州電力の「従量電灯C」と比べて4349円安くなる。資源エネルギー庁が一般的な飲食店のエネルギー利用状況を分析したレポートによると、月275時間の営業時間の居酒屋(床面積366平方メートル)では月間に平均2315kWhの電力を使っている。

 九州電力も2016年4月1日から家庭向けと事務所・商店向けに新しい料金プランを提供している。家庭向けの「スマートファミリープラン」では基本料金が「従量電灯B」と同額で、電力量料金の3段目の単価を1.08円/kWh安くした。使用量の多い家庭が小売電気事業者に移行することを防ぐ対策だが、さほど魅力的な値引き幅とは言いがたい。

 これに対して「スマートビジネスプラン」は基本料金を据え置きながら、電力量料金の単価を一律の22.63円/kWhに設定した。Looopの「ビジネスプラン」の24円/kWhよりも低いため、使用量が多い事務所・商店では電気料金が割安になる。契約電力が8kVAで比較すると、月間の使用量が1700kWhを超えてから九州電力の「スマートビジネスプラン」のほうが安くなる計算だ。

 両社のプランは単価の差に加えて、提供する電力の電源構成にも違いがある。Looopは家庭を中心に太陽光発電の電力を高く買い取るサービスを実施して、再生可能エネルギー(FIT電気)の比率を高める方針だ。2016年4~9月の計画値ではFIT電気を20%、そのほかの再生可能エネルギーを6%、合わせて26%を再生可能エネルギー由来の電力で供給する。

 一方の九州電力は全国に先がけて原子力発電所を稼働させたことから、2015年度の電源構成のうち10%を原子力が占めている。再生可能エネルギーはFIT電気を加えて14%である。九州では太陽光を中心にFIT電気が増加中だが、2016年度からは原子力の稼働率が向上してFIT電気を上回る見通しだ。

 家庭を中心に原子力による電力の購入を嫌う層は少なくない。他の地域と比べて九州電力の管内で「Looopでんき」の契約数がどれくらい伸びるか注目である。

最終更新:10/12(水) 7:25

スマートジャパン

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