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紅茶 ポリフェノール テアフラビン類 ノロウイルスを消毒 体に優しい薬剤開発へ 静岡県

日本農業新聞 10/12(水) 7:00配信

 静岡県は、紅茶に含まれるポリフェノールの一種「テアフラビン類」に、ノロウイルスを消毒する作用があることを世界で初めて発見したと11日までに発表した。従来の消毒剤は、手指など人体に使えなかった。同県は企業と連携し、植物由来で体に優しい消毒剤の商品化を目指す。

 テアフラビン類は、紅茶の赤色の元となる色素で、発酵の過程で茶葉のカテキン類が酸素などと結び付いて生成される。緑茶には少なく、紅茶に多く含まれる。

 県環境衛生科学研究所はマウスと猫、豚の細胞に、人のノロウイルスに近いウイルスと、テアフラビン類を混ぜた液を与える実験を行い、ウイルスが細胞に入り込むのを防ぐ作用を発見した。

 実験に使った3種類のウイルスの感染力を、約1000分の1に低減できたという。

 ノロウイルスは感染力が強く、次亜塩素酸ナトリウムや加熱が有効な消毒方法とされる。ただ、それらは金属を腐食させたり、手指に使用できなかったりなどの問題点があった。

 県は、より安全な予防法の開発が新たな産業につながるとして、研究を進めていた。2000種類の素材の中からテアフラビン類に効果があることを突き止めた。同研究所の小和田和宏医薬食品部長は「静岡県名産の茶葉を使い、人に優しい消毒剤を作りたい」と話す。

 茶の機能性に詳しい農研機構・果樹茶業研究部門金谷茶業研究拠点の物部真奈美上級研究員は「紅茶のテアフラビン類や緑茶の抗ウイルス効果は知られており、紅茶のノロウイルスに対する効果も十分あり得る」と話す。

 一方で、人間が緑茶や紅茶を飲んだときにどの程度の効果があるのかを調べる研究は難しく、「茶でうがいをしてウイルスを洗い流したり、茶葉を使った消毒剤や消臭スプレーなどで利用したりすることが期待できる」と話している。

日本農業新聞

最終更新:10/12(水) 7:00

日本農業新聞