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本当に香川真司ではなく、清武弘嗣を起用したほうが良かったのだろうか?

AbemaTIMES 10/12(水) 18:00配信

11日に行われたロシアワールドカップ・アジア最終予選、オーストラリア戦についてである。

この試合ではイラク戦で活躍した清武ではなく、香川がトップ下で起用された。香川は得点にこそ関わらなかったが、日本の勝ち点1獲得に大きく貢献した。その理由は、守備面での働きにある。

この試合、日本は本田圭佑をワントップに置き、香川をトップ下に起用した4-2-3-1で戦った。香川のタスクは、オーストラリアの攻撃の起点、キャプテンのジェディナックを封じること。中盤の底に位置するジェディナックは左右にパスを振り分けるプレーが上手く、ポゼッションサッカーの根本を断ち切りたい日本としては、彼を封じる必要があった。

そこで、いぶし銀の輝きで貢献したのが香川である。オーストラリアの最終ラインがボールを持ったときは、アンカーのジェディナック、右サイドバックのマッゴーワン、右MFのムーアにパスを出させないよう、絶妙なポジショニングでコースを塞ぎ、攻撃の起点となるパスを入れさせなかった。ときには大きなジェスチャーを交えて、周囲の選手に守備での連動をうながす様子は、攻守に高い強度で関わり続ける、現代型MFそのものだった。

地味だが、チームにとってものすごく重要なプレーを、香川はやり続けた。そして攻撃に転じると、オーストラリア守備陣の間にできたスペースを見逃さず、パスを受けて攻撃の起点になろうと試みた。香川のところに良いパスが入らないので、攻撃で目立った活躍はできなかったが、動きの質、プレーの判断は、スタメンでプレーするに相応しいものだった。

もし、香川を替えるのであれば、足が止まり始めた後半30分過ぎからが妥当だと思うが、引き分けでもOKな日本は『守備のバランスを崩す』というリスクを冒してまで、2点目を奪いに行く必要はない。結果、ハリルホジッチ監督が香川を最後までピッチに残したのは、守備面を考えると当然の決断だったように見える。

試合後、ハリルホジッチ監督は「勝ち点1を得たのではなく、勝ち点2を失った」と語った。得たものは「勝ち点1」だったが、香川を中心に前線から最終ラインまでの陣形をコンパクトに保ち、組織的な守備からスピードを活かしたカウンターというハリルホジッチが得意とする戦術が、一定の成果を見せたことは大きな進歩だろう。それは敵地で得た勝ち点以上に、ワールドカップを目指す上で大きな意味を持つものである。(文・鈴木智之)

最終更新:10/12(水) 18:00

AbemaTIMES

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