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独VWと米ナビスター提携 東南アジアで迎え撃つ日系商用車メーカー、新興国が主戦場に

日刊工業新聞電子版 10/12(水) 14:10配信

業界再編にはつながらない?

 独フォルクスワーゲン(VW)が米ナビスター・インターナショナルとの資本業務提携を発表してから約1カ月が経過した。VWは出遅れていた北米市場への足がかりを確保し、ナビスターは課題だった環境技術を強化。部品の共同購買やパワートレーンの共通化で量産効果の取り込みも目指す。日系商用車メーカーにとって欧米中心の両社の協業による影響は限定的とみられるが、世界一を目指すVWとは新興国市場の開拓などでしのぎを削ることになりそうだ。

 「VWとナビスターの提携が業界再編につながることはないだろう」。日系商用車メーカー幹部は、同社にもナビスターから話があったとし、この提携を冷静に受け止める。

■地域的に補完
 VWは2億5600万ドル(約260億円)を投じてナビスターの株式16・6%を取得する。部品調達の合弁会社を設立するほか、エンジンなどパワートレーンを共通化するなどして規模のメリットを取り込む。VWは傘下の独マンやスウェーデンのスカニアを含め欧州を中心に事業を展開し、北米を基盤とするナビスターとの提携で地域的な補完関係を築く。またナビスターは米国の排出ガス規制に対応したエンジン開発の苦戦が業績悪化を招いたとされており、VWとの連携で環境技術の強化が期待される。

■協業効果
 一方、北米で中型や小型トラックを販売する日系商用車メーカーにとって、大型車が中心のナビスターと競合する場面は少ないと言われる。ただ三菱ふそうトラック・バスとUDトラックスはそれぞれの親会社の独ダイムラー、スウェーデンのボルボと部品を共通化して世界規模でコストを改善する。VWもこうした協業効果を取り込むため日系メーカーとの連携を模索する可能性も考えられるが、「日本の市場規模では魅力がないだろう」(日系メーカー幹部)と分析する。

 今後10年で収益性や技術革新で世界をリードする商用車グループを目指す―。VWは提携発表と共に世界一への意気込みも示した。先進国市場が成熟するなか、成長が見込まれる新興国で事業を拡大できるかがグローバルでの競争力を左右する。日系メーカーにとってはシェアが高い東南アジアで迎え撃つ形となり、インフラ整備とともに商用車の需要が高まるアフリカなどでは競争の本格化が予想される。

■商品力と日本流
 物流事業を支えるトラックは故障してもすぐに修理し、顧客のビジネスへの影響を最小限に抑える地域に根ざしたアフターサービスも重要になる。耐久性や燃費性能など顧客の要望に応える商品力とともに、日本流のきめ細かいサービスを浸透できるかが、世界で戦うカギとなりそうだ。

最終更新:10/12(水) 14:10

日刊工業新聞電子版

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