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3県連携、玄海原発の原子力防災訓練

佐賀新聞 10/12(水) 10:12配信

地震を想定 6700人参加

 九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備えた佐賀県原子力防災訓練が10日、福岡、長崎県と連携して行われた。熊本地震を踏まえ、初めて地震による複合災害が発生したと想定。住民避難では、予定の避難経路が使えずにう回路による避難や、唐津市東部の住民が福岡県を経由して鳥栖市に広域避難する訓練も実施し、想定外にどう対応するかを確認した。

 午前8時前に佐賀県内で震度6弱の地震が発生し、玄海原発3号機の原子炉冷却材が漏れ、全電源が喪失した想定で訓練した。玄海町と唐津市、伊万里市の住民745人が30キロ圏外に避難するなど、この日は佐賀県内の約3100人、福岡、長崎両県と合わせると約6700人が参加した。事前の屋内退避訓練参加を含めると佐賀県内は73機関で2万2266人に上る。

 隣県連携では、ヘリで長崎大病院の医師、看護師、放射線管理者を唐津市に派遣し、唐津市から負傷者を長崎に搬送した。

 複合災害を受けた住民避難では、自宅損壊で近隣の避難所に退避したり、地震で予定の避難経路が使えず経路を変更したりする訓練をした。玄海町諸浦地区の住民約40人は町役場に退避した後、バスと乗用車で小城市の市民交流施設に1時間半近くかけて移動した。住民からは「事前の説明が十分ではなく、なぜこの道を通るのか分かりにくかった」との声も聞かれた。

 玄海町の玄海みらい学園では、小学生56人を保護者に引き渡す訓練を初めて実施した。広域避難は、3月の福岡県との合意に基づいて、唐津市宇木地区の住民43人が二丈浜玉道路、福岡の都市高速、九州自動車道などを経由し鳥栖市までバスで90キロ近い道のりを約2時間かけて移動した。

 山口祥義知事は「地震時の対応や道路寸断時にどんな手順で対応するのか確認できたことは良かった。広域避難は住民にとって大変だが、さまざまな手段を持つことの意味を伝えたい」と総括し、「予期しないトラブルへの対応の重要性も認識している。実地訓練でできる余地がないか考えたい」と述べた。

 玄海原発3、4号機は原子力規制委員会の審査が最終段階を迎え、今回が再稼働前の最後の訓練となる可能性がある。

最終更新:10/12(水) 10:12

佐賀新聞