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「万国総図」が国内最古と判明 広島県立歴史博物館、14日初公開

山陽新聞デジタル 10/12(水) 20:30配信

 広島県立歴史博物館(福山市西町)にある国内初の木版世界地図「万国総図」が、現存する同種地図の中で最も古い地図とみられることが分かった。14日から始まる企画展「守屋寿コレクションが迫る近世日本の新たな異文化交流像」で初公開する。

 江戸時代に作られた「万国総図」と称される地図は数種類あることが知られている。最も古いタイプは、江戸初期の1645年に作られた版木で刷られた「正保 酉季春(とりきしゅん)」版(縦134・5センチ、横57・6センチ)。同館のほか下関、長崎市にある。3点とも長崎の学者・樋口謙貞(1601~83年)が作製した地図に、後に門下生が着色して地名などを書き加えて完成させたとされる。

 同館は2月、福山市出身で元メリルリンチ日本証券会長の守屋寿氏=東京都=から寄託され、3点を比較調査した。

 その結果、同館の地図以外には、例えばギリシャを指す「ケレシア」が正しい位置に修正されていたり、ローマを意味する「ラウマ」が新たに追加されていた。こうした地理情報の修正や追加などから、同館の地図が最も古いと考えられるという。

 調査に当たった久下実主任学芸員は「江戸初期の日本人の世界認識を知る手がかりになる貴重な史料。さらに詳しく分析していくことで、当時の知識や情報の伝達ルートを解き明かすきっかけにもなる」と話している。

 企画展は、守屋氏からこれまでに寄託された計1154点のコレクションから古地図や絵画、書籍など約130点を展示。16~19世紀の日本の異文化交流の歴史をひもとく。

 11月27日まで。月曜休館。午前9時~午後5時。入館料は一般700円、大学生520円、高校生以下無料。問い合わせは同博物館(084―931―2513)。

最終更新:10/12(水) 20:36

山陽新聞デジタル