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[記者手帳]ホームレス福祉施設での人権蹂躙の真実 …今度こそ福祉部が乗り出せ

ハンギョレ新聞 10/12(水) 12:00配信

 129人が死亡した。大邱(テグ)のある福祉施設で生活してきた障害者とホームレスの人たちだ。世の中が大騒ぎすべきことなのに、驚くほど静かだ。福祉施設を管理する責任を負う大邱市は淡々とした反応だ。過ちを詳細に追求すべき地方議会からは何ら言葉もない。メディアも大きな関心がなさそうだ。市民団体だけがいくつか集まって真実を明らかにせよと叫ぶだけだ。こだまだけが虚空に散らばる。茶碗の中の台風だ。

 大邱市が街にあふれているホームレスの人たちや浮浪者たちを一カ所に集めて受け入れ、「大邱市立希望園」と名付けた。戦争後、復旧作業の真ただ中であった1958年のことだ。20年間、公務員たちが直接運営し、1980年に大邱カトリック会維持財団に管理を任せた。カトリック教区庁のうち財産管理や福祉施設を引き受けた別途法人を維持財団と呼ぶ。ここに大邱市が1年間に予算100億ウォンずつを与える。維持財団はこのお金を職員150人の人件費に当て、ホームレスや精神障害者など1150人の生活費にも使用する。

 宗教団体は信用できると考えて30年以上安心して管理を任せてきたが、最近2年8カ月で129人が死亡するという衝撃的な事件が起きた。驚いた大邱市が「長期間ホームレス生活をしてきたため心身が疲れた人たちであり、病気が重い人々だ。多くが病院で治療を受けている途中に死亡した。殴打のような人権弾圧は絶対になかった」と釈明し、急いで身を引いた。

 しかし、到底信じられないという疑念は雪だるま式に膨らむ。正常な死亡ではない可能性もあるとの証拠があちこちで噴出した。知的障害を持つ40歳の男性は1年前に死亡した。休日の午前にパンを食べている途中、急に喉を詰まらせて息を引き取った。同じ時期に、精神障害のある53歳の女性も食事の途中に喉を詰まらせて亡くなった。死因は窒息死とされている。60代前半の女性のソ さんは肺炎で亡くなった。死亡者の中には肺炎にかかって死亡した人がかなり多い。いくらホームレス生活が長かったために病気が重くなったとしても、ご飯を食べている途中で急に死亡したという言葉は、すっきり受け入れるのは難しい。肺炎も事前に手を尽くしていたら貴重な命を助けることができたのではないかと無念さが残る。市立希望園には医者が何人もいる。

 大邱の現地では静かだが、国家人権委員会と国会議員たちの動きは活発だ。 数日後、あらゆる不正が明るみに出た。ホームレスの人たちに時給千ウォン(約92円)にもならないお金を与えて仕事をさせ、逆にホームレスの人からお金を巻き上げたりもしたという話は到底信じ難い。大邱市の幹部職員らが市立希望園に圧力をかけ、親戚を社員として採用させていた事実も明らかになった。市立希望園の職員らが買ってもいないスルメや白菜など惣菜を買ったと嘘をつき、3億ウォン(約2800万円)を超える資金を横領したという疑惑も提起された。事件が起きるたびに繰り返される公務員の人事請託、横領のようにそっくりな不正の類型が見られる。一言で言うと総体的な不正である。じっと座って顔色ばかり伺っていた大邱市がだしぬけに飛び込んだ。「すべての疑惑を一つ残らず明らかにしてみせる」とし、監査室の職員全員約20人 を市立希望園に投入した。意欲はよいが、すべての不正が大邱市と直接・間接的に絡み合ってはいないだろうか。

 「同族」同士で監査がまともに行われるかもわからない。監査結果を出しても、果たして何人が信じてくれるかも疑問だ。市立希望園の監査を大邱市に任せておいては絶対にならない。1人でも無念の魂が生じてはならない。今回ばかりは必ず保健福祉部が乗り出さなければならない。

嶺南(ヨンナム)チーム/ク・デソン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:10/12(水) 12:00

ハンギョレ新聞