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富山大の放射性物質研究施設、サイバー攻撃で情報流出

北日本新聞 10/12(水) 0:39配信

 富山大の「水素同位体科学研究センター」の研究者のパソコンがサイバー攻撃を受け、福島第1原発で発生した汚染水除去に関する研究成果などのデータと、学生や他大学の研究者ら1492人の個人情報が流出していたことが10日、分かった。大学側は会見で、研究に関する情報は公表済みであり「機密性の高いものはない」と説明。個人情報が悪用されたとの報告はないとした。

 富山大によると、サイバー攻撃を受けたのは非常勤の研究者が使っていたパソコン1台。2015年11月に知り合いを装って送られたメールの添付ファイルを開き、ウイルスに感染。外部からの指摘で今年6月に発覚するまでの約半年間で、外部サーバー4カ所との通信があり、パソコン内の全ファイル5万9318個が流失したとみられる。うち1万7612個は使用するソフトウェアが古く、内容を確かめることはできなかった。パソコンの個人情報は1492人の氏名や所属先の住所、メールアドレスなど。

 センターは核融合の材料となる放射性物質トリチウムなどを研究する施設。パソコンが感染した同時期、センターの教授に不審なメールが届いていたことも判明した。専門分野は2人ともトリチウム理工学。

 大学は6月、県警と文部科学省に報告したが、情報が流失した関係者には10月まで知らせていなかった。センター長の阿部孝之教授は「ファイルに含まれる個人情報の把握に時間がかった」とした。

 富山大では10年と15年、工学部のサーバーが不正なアクセスを受けた。今回感染したパソコンは最新の対策ソフトを使っていた。同大総合情報基盤センター長の黒田卓教授は「知り合いを装った巧妙なメールで、対策ソフトでも防げないウイルスが使われた可能性がある」と説明した。

北日本新聞社

最終更新:10/12(水) 0:39

北日本新聞