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古道の歌、半世紀経て完成

紀伊民報 10/12(水) 17:01配信

 和歌山県田辺市学園の保田博子さん(79)がこのほど、約50年前に歌詞だけできていた「熊野古道を歩く会の歌」に専門家から曲をつけてもらい、CD化した。「昔の新聞を見つけ、高校時代の恩師の作詞と知った。古道の魅力が全て盛り込まれており、広く知ってもらいたいと思った」と保田さん。半世紀を経て教え子の手で歌が「完成」した。

 作詞したのは、田辺市の郷土史家で中学校と高校の元教諭だった故・野口民雄さん。1969年9月に発足した有志の会「熊野古道(ふるみち)歩く会」のために同年に作ったとみられる。

 「歩く会」は、同市の瀧畑光良さん(82)や元高校教諭の故・後藤伸さん、故・中川享一さんらの呼び掛けがきっかけで発足した。

 活動期間はわずか2年間と短く、大雲取越・小雲取越と熊野本宮大社から滝尻王子までを歩いた。

 瀧畑さんらによると野口さんは、古道を歩きながらみんなで歌うと気勢が上がり楽しいのでは、との思いから作詞したという。曲は作ってなく、唱歌の「茶摘み」に合わせて歌えるようにしていたが、会員に浸透する前に歩く会が自然消滅した。

 保田さんは昨年末、自宅を掃除していて、この歌詞を掲載した資料が約30年ぶりに見つかった、と報じた98年の新聞を偶然見つけ、この時初めて「歩く会」や歌の存在を知ったという。

 野口さんの遺族に許可を得てCD化を企画。作曲と歌は上富田町の音楽家・谷本智子さんに依頼した。谷本さんが、しっとりとして親しみやすいメロディーを作り、歌い上げている。

最終更新:10/12(水) 17:01

紀伊民報