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金沢城鉄門、油絵で復元 昨秋から制作、金沢学院大講師の末松さん

北國新聞社 10/12(水) 2:24配信

 金沢城二の丸から本丸に入る正門「鉄門(くろがねもん)」の復元画を、金沢学院大などで非常勤講師を務める画家、末松智さん(58)=金沢市末町=が完成させた。現在は石垣の一部しか残っていないが、金沢城調査研究所の報告書や古文書を基に、宝暦の大火(1759年)で焼失する直前の鉄門と櫓(やぐら)を100号の油絵で再現した。11日に金沢市内で始まった個展で披露し、本丸の入り口として城の防衛を担った往時の威風を伝えている。

 20年前から金沢城の復元画を描き続けている末松さんは、これまでに「二の丸御殿」や「鼠多門」など10作品を手掛けた。鉄門は昨秋から制作に取り掛かり、金沢城調査研究所が2014年に出した鉄門の発掘報告書や、「加州金沢御城来因略記」(県立図書館蔵)、「金沢城建物起絵図」(金沢市立玉川図書館蔵)などを参考に、忠実に再現した。

 末松さんによると、鉄門の石垣は「切石積み」の技法が用いられ、多角形に加工した石が緻密に組み合わされた丁寧な造りとなっている。青戸室石と赤戸室石を交互に積み重ね、見た目にもこだわった意匠が凝らしてあったという。石垣は高さ約4メートル、建物の部分は高さ約13メートルあったとされ、末松さんは何度も金沢城公園の鉄門跡地を訪れてイメージを膨らませながら筆を走らせた。

 絵の中では、本来いるはずの門番をあえて描かず、日暮れ時に2人の奥女中が門の前で彼岸花をつむ様子を表現して遊び心を加えた。末松さんは「20年前に初めて鉄門の存在を知り、いつか描きたいと思っていた。発掘調査など多くの人の尽力があり、ついに絵の中で復元できたという達成感がある」と話している。

 末松さんの作品は、金沢市の石川国際交流サロンで11日に始まった「末松智 金沢城復元画展’16」(北國新聞社後援)で展示されている。鉄門のほか、これまでに手掛けた10作品も披露された。23日まで。

北國新聞社

最終更新:10/12(水) 2:24

北國新聞社