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サムスンのブランドイメージ失墜の危機、スマホ「ノート7」を封印

Bloomberg 10/12(水) 11:38配信

サムスン電子は韓国を代表する財閥の一角として、マーケティングがスマートで、エンジニアリングに精通した企業として世界的に認知されている。コンサルティング会社インターブランドがまとめた2016年の価値の高い世界ブランド番付では、アマゾンやメルセデスベンツを上回る7位にランクされた。

そんなサムスンが新型スマートフォン「ギャラクシーノート7」でバッテリー発火の苦情が相次ぎ250万台をリコールした。欧米や中国のメディアでは悪い評判が広がり、ソーシャルメディアで大きな反響があったこというまでもなく、韓国のプライドが大きく損なわれたが、これはどうしてなのだろうか。

同社は先月のリコール時点では、消費者に問題を突き止めたと説明し、交換品は安全だと強調した。しかし実際にはそうではなかった。交換後の製品のリチウム電池も発火したとの報告が一部であったことから、同社は今月11日、「ノート7」を永遠に封印するという思い切った措置に踏み切った。

シンガポール経営大学センター・フォー・マーケティング・エクセレンスのディレクター、スリニバス・レディ氏は「災難だ。サムスンにとっての脅威はどれだけ早く復活できるかだ。早期に復活しなければ、他社が入り込む空間を与えることになる」と指摘した。

同社は影響を受けるスマホの台数は明示していない。アナリスト予測では最初のリコールのコストは10億-20億ドル(約1035億-2070億円)とみられるが、数字が今後増えることは確実だ。野村ホールディングスのアナリスト、CW・チャン氏はサムスンの発表前に調査リポートで、同社がノート7の生産を打ち切る最悪のシナリオとなった場合に2017年まで約50億ドル相当の営業利益が失われると試算していた。

サムスンの株価は11日に8%下落し、時価総額は170億ドル失われた。李在鎔(イ・ジェヨン)副会長率いる経営陣が目の前の危機から早期に脱出を図らなければ、同社が数十年にわたり築き上げた優れたブランドイメージは危険にさらされる。

ブランド戦略家で「エイジャン・ブランド・ストラテジー(原題)」の著者でもあるマーティン・ロール氏は「サムスンにとっては極めて重大な瞬間だ」と述べ、「アジア企業はアップルのような極めて象徴的で現代的な消費者ブランドとして出現し始めたばかりであるため、サムスンがこの危機にどう対処するかは、ある意味でサムスンが現代に足を踏み入れる道となる。ブランドとしてのサムスンの歴史はまだ定着に向かう過程にある」と指摘した。

原題:Samsung Brand Mystique at Risk After Death of Note 7 Smartphone(抜粋)

Sohee Kim, Hooyeon Kim, Yoolim Lee

最終更新:10/12(水) 11:38

Bloomberg