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「本店が見ている」とファルコン幹部-届かなかった行員らの警告

Bloomberg 10/12(水) 14:21配信

スイスの銀行ファルコン・プライベート・バンクのシンガポール支店の行員宛てに送られたメッセージは、取引を処理し、期限までに片付けろという明快な内容だった。ファルコンの上級幹部の1人は「本店があなたを見ている」とくぎを刺していた。

スイスの金融市場監督機関であるFINMAは11日、マレーシアの政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)、および政府とつながりのある「マレーシア人の若いビジネスマン」とファルコンとの取引をめぐり、マネーロンダリング(資金洗浄)規制への「深刻な」違反を認定し、支店とのやりとりがその中で言及された。

FINMAによれば、複数の行員が懸念を示したにもかかわらず、スイスに本店を置くファルコンのマネジャーらはそれを無視し、1MDBと結び付きのある取締役2人からの圧力を受けて、2012年から15年半ばにかけて1MDBに関係する38億ドル(現在の為替レートで約3930億円)相当の資産の移転を承認した。

発表文でFINMAは、「経営陣はこれらに案件に注意を向けていたにもかかわらず、特に政治的な影響下にある人物との取引関係やリスクの高い取引について適切な調査をたびたび怠った」と指摘した。スイスの検察当局は11日、ファルコンを刑事事件で立件することを検討していると明らかにした。

ファルコンは当局の調査結果に異議を唱えることも争う姿勢を示すこともなく、「建設的な協議を経て、今回の調査終了で1MDBをめぐる当行と監督当局との問題が最終的に解決する。銀行の評判を守り、あらゆる法令・規制を順守することが、ファルコン・プライベート・バンクとその行員にとって最も重要だ」とコメントした。

原題:‘Head Office Is Watching’: How Falcon Ignored 1MDB Red Flags (1)(抜粋)

Shamim Adam

最終更新:10/12(水) 14:21

Bloomberg