ここから本文です

日本最大の太陽光発電所に1枚目のパネル、合計89万枚の設置作業が始まる

スマートジャパン 10/13(木) 13:25配信

 発電能力が230MW(メガワット)に達する日本最大のメガソーラーになる「瀬戸内Kirei太陽光発電所」の1枚目の太陽光パネルが10月4日に設置された。用地を所有する瀬戸内市の武久顕也市長が取り付け作業に参加して、合計89万枚にのぼる太陽光パネルの設置工事が始まった。

 「瀬戸内Kirei太陽光発電所」は瀬戸内海に面した広大な塩田の跡地に、自然と共生するメガソーラーを目指して2012年に着手した。総事業費1100億円を投じて2018年6月に試運転を開始する予定で、年間に2億5000万kWh(キロワット時)を超える電力を供給できる見込みだ。一般家庭の使用量(年間3600kWh)に換算して7万世帯分に相当する。瀬戸内市の総世帯数(3万8000世帯)の約2倍に匹敵する電力になる。

 メガソーラーの建設工事は2014年11月に着手した。これまで約2年間かけて、塩田の跡地を利用するうえで必要な排水路の整備をはじめ、動植物を保護するためのハビタット(生息地)の造成、排水ポンプの増設や非常用発電設備といった周辺部分の工事を実施してきた。並行して太陽光パネルの基礎と架台の工事を進めながら、いよいよ最終段階のパネルの設置作業に入った。

 全体で500万平方メートルの広さがある塩田跡地のうち、建設用地は約半分の265万平方メートルを占める。太陽光パネルを設置する面積は230万平方メートルで、現在は平坦な用地に架台がずらりと並んだ状態だ。今後1年以上かけて89万枚のパネルを設置していく。

瀬戸内市に25年間で101億円の収入

 日本最大のメガソーラーの建設用地になった「錦海(きんかい)塩田」では1962年から1971年まで塩田事業に取り組んでいた。その後は産業廃棄物の最終処分事業に使われる一方、雨水と海水が混じり合う湿地帯には数多くの動植物が生息するようになった。瀬戸内市が2010年に塩田の跡地を取得して、周辺地域の防災対策と再生可能エネルギーの拡大を目指してメガソーラーの建設プロジェクトが始まった。

 当初から動植物と共生するメガソーラーをテーマに掲げて、発電設備の建設工事よりも前に「錦海ハビタット」と呼ぶ自然環境を保護するための湿地帯を整備した。細く曲がりくねったクリーク(小川)をめぐらせて、小鳥や水生植物が生息できる環境を用地の中に確保している。

 防災対策の工事は最初に実施した。塩田の跡地には雨水や海水をくみ上げて水位を調整する古いポンプ場があったが、建屋の改修と排水ポンプを増設して排水機能を向上させた。加えて停電時にも排水ポンプを稼働できるように非常用発電設備を新設した。この2つの設備は瀬戸内市に寄贈して、市が運営する体制になっている。

 今後は太陽光パネルの設置と合わせて、発電した電力を送電するためのパワーコンディショナーや変圧器など周辺機器の導入を進めていく。監視カメラや気象観測装置も導入して、遠隔から集中監視できるようにする計画だ。2018年6月に試運転を開始した後に、2019年に営業運転へ移行する。

 発電した電力は固定価格買取制度を通じて中国電力に売電することが決まっている。2012年度に買取制度の認定を受けているため、買取価格は1kWhあたり40円(税抜き)になる。年間の売電収入は100億円を超える見込みだ。

 発電事業の運営母体になる「瀬戸内Kirei未来創り合同会社」には、GE(ゼネラルエレクトリック)グループや東洋エンジニアリングが参画している。土地を所有する瀬戸内市には建設工事中を含めて25年間に、用地の賃貸料などで総額101億円が入る。荒廃していた塩田の跡地が新たな収入源に変わる。

最終更新:10/13(木) 13:25

スマートジャパン