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うどんからきゃりーぱみゅぱみゅまで、一発逆転の売る方法!

ITmedia ビジネスオンライン 10/13(木) 8:10配信

※この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。

●難しかった、はじめてのマーケティングの本

 18年前。36歳になったばかりの私は、マーケティング職に異動になりました。

それまで「マーケティング」という言葉は聞いたことがあるものの、それが何なのかはまったくチンプンカンプン。セールスとマーケティングの違いもよく分かりませんでした。そこで、生まれてはじめて書店でマーケティングの本を買いました。

 「よし! これからマーケティングでバリバリ仕事だ。勉強するぞ」……と気合いを入れて読み始めたのもつかの間、いきなり1ページ目で「うっ……!」と唸り声をあげました。その本は、こんな文章のオンパレードだったのです。

 「マーケティングは、マーケティングミックスという4つの要素から構成されている。商品(Product)、チャネル(Place)、プロモーション(Promotion)、価格(Price)である。マーケティングミックスのことを、これら4つの頭文字を取って4Pと呼ぶこともある……」

 「なんだこれ?(汗)」というのが、当時の私の率直な感想でした。その後もまるで呪文のような文章が次々と出てきて、つい眠くなります。

 「この歳で、学生時代の暗記学習は辛い……」

 それから18年。私はそのマーケティングの世界で仕事を続け、マーケティングの本を書き、「マーケティング戦略アドバイザー」という名前で仕事をするようになりました。

●頑張っても売れない人、頑張っていないのに売れている人:時計の場合

 ビジネスの世界には、2種類の人がいます。

 一生懸命頑張っているのに、なかなか商品が売れない人。そして、あまり頑張っている感じはしないのに、なぜか商品が売れている人です。

 例えば、あなたは腕時計をしているでしょうか?

 先日電車に乗ったときにふとつり革を見たら、ほとんどの人が腕時計をつけていませんでした。思い返せば30~40年前、私が学生の頃はほとんどの人が腕時計をしていました。当時は、正確な時間を知るために腕時計は必須アイテムだったからです。でも今やスマホで時間はすぐに分かります。

 かつては、ほとんどの人が「正確な時を知る」ために腕時計にお金を出して、つけていました。その頃の時計は結構時刻が狂ったりしていたので、正確な時計は重宝されていました。いまやこれはスマホに置き換えられてしまい、コモディティ化しています。

 コモディティ化とは、要はオワコン(終わったコンテンツ)になっているということ。つまり「正確な時を知る」ことはもはや当たり前。それだけでは腕時計にお金を出す理由にはならないのです。

 こんな状況で、いくら昔のように「ウチの時計は正確無比です」と一生懸命頑張って腕時計を売り込んでも、まったく売れません。

 でもいまだに、世の中で腕時計のCMや広告はよく見かけます。現代の腕時計は、「正確な時を知る」という価値ではなく、新らたな価値を生み出して、お客さんに提供しているのです。そしてお客さんは喜んでお金を出しているのです。

 例えば、腕時計の中には、ジョギング専用や登山専用があります。これらは「正確な時刻を知る」というこれまでの腕時計の価値をさらに進化させ、「フルマラソンを完走できるようになる」「厳しい登山の頼れる道具になる」という付加価値を生み出したことで、新しいお客さんを創り出しているのです。

●実はマーケティングは、とても楽しい

 このように新たな価値を創り出して、お客さんに価値を提供するための考え方が、マーケティングです。言い換えればマーケティングとは、誰もがお客さんが買う理由を作り出せるようにするための考え方なのです。だからすべてのビジネスパーソンにとって、必ず役立ちます。

 あまり頑張っている感じがしないのになぜか売れている人は、このマーケティングの考え方を理解して実践しているのですね。

 ただ残念なことに、マーケティングを知らずに、ムダな努力をしている人が、世の中にはとても多いのが現実です。その一つの理由は、冒頭で紹介したように、マーケティングを知ろうとしても、世にある多くのマーケティングの本が、立派だけれども難しい解説書が多いからではないでしょうか。

 本当はマーケティングで必要なことは、とてもシンプルで分かりやすく、面白いものですし、ちょっとしたコツをつかめば、すぐに理解できるものなのです。

 そこで、「身近な疑問から始めて、楽しみながらマーケティング理論がいつの間にか自然と分かるような本があるといいな」と考えて、『これ、いったいどうやったら売れるんですか?身近な疑問からはじめるマーケティングを書きました。

 帯に「うどんからきゃりーぱみゅぱみゅまで」と書かれているように、皆さんの身近にある分かりやすい事例をエッセイ風に取り上げました。例えば……

・腕時計をする人は少ないのになぜ腕時計のCMは増えているのか?
・人はベンツを買った後どうしてベンツの広告を見てしまうのか
・雪の北海道でマンゴーを育てる?
・あの行列のプリン屋が赤字の理由
・なぜセブンの隣にセブンがあるのか?
・女性の太った財布には、何が入っているのか? はなまるうどんのプロモーション戦略
・きゃりーぱみゅぱみゅは、なぜブレイクしたのか? キャズム理論の実践
・古本屋がふつうの本屋より儲かる理由

 これらはマーケティングの考え方で掘り下げると、ちゃんと答えがあるのです。薄い新書なので、全部じっくり読んでも2時間程度。楽しくサクサクと読みながら、マーケティングのキモを、身につけることができます。

 紹介した時計に関するさらに詳しい話は、ネットで立ち読みできます。もしご興味があればご覧下さい。

 本書を通してマーケティングを知ることで、あなたの人生をさらに豊かにしていただければ、と願っています。

(永井 孝尚)

(ITmedia エグゼクティブ)

最終更新:10/13(木) 8:10

ITmedia ビジネスオンライン

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。