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えっ、そんなに!? インスタグラマーのギャラ事情

ITmedia ビジネスオンライン 10/13(木) 8:13配信

 インターネットで稼ぐと言えば「ブロガー」や「ユーチューバー」などを想像する人が多いのでは。ただ、昨年あたりから「インスタグラマー」という新しい職業が注目されている。写真・動画に特化したSNS「Instagram」を利用したビジネスだが、いったいどのような人が、どのような方法で収益をあげているのだろうか。そんな疑問があったので、インスタグラマー女子2人に話を聞いてみることにした。

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 ここで、簡単にInstagramについてご紹介しよう。ニールセンの調査によると、日本国内の利用者数は2016年4月に1000万人を突破し、前年比で500万人以上増加しているという。ユーザーの中心はファッションや芸能人への興味が深い10~20代の若年層だが、ここにきて30~40代女性の利用も増えているという。

 トレンダーズが行った調査によると、Instagramの投稿から刺激を受け購買に至った経験のある女性は約4割に達している。このことから、女性にとってInstagramは大きな影響力をもつSNSになりつつあるといっていいだろう。

 Instagramは写真の撮影も加工もすべてスマートフォンで行えるので、手軽にオシャレな写真を発表できる。この手軽さと写真というアーティステイックな表現方法に目をつけたのが芸能人やモデルだ。彼女たちはInstagramを利用して私生活や活動の写真を発信し、若い女性ファンを増やしていった。

 InstagramやSNSの界隈では、人気発信者のことを「インフルエンサー」と呼ぶが、このインフルエンサーが企業の製品やサービスのモニターとなり報酬を得て発信する形態が「インスタグラマー」なのだ。

 インスタグラマーになるには2つの方法がある。1つは何千人という多くのフォロワーを集めることによって、企業から直接依頼されるパターン。もう1つは代理店のサービスに登録して仕事を受けるパターンだ。後者のほうが手軽に収入を得ることは言うまでもない。

 インフルエンサーのプラットフォーム「SPIRIT」を運営している「LIDDELL(リデル)」が発表したレポート(2016年9月)によると、企業からの依頼案件数は、2016年2月時点では、Twitterが72%と過半数を占めていたが、同年8月には、Instagramを活用したいという要望が60%を超え、Twitterを上回っているという。1件の平均報酬額もInstagram1万5597円、Twitter1万880円とInstagramが上回っている。

●インスタグラマーのタイプはさまざま

 今回はそんなインスタグラマーをしている2人の女性に話を聞くことができた。まず、神尾美沙さん。彼女は学生時代から読者モデルとして、雑誌や「恋のから騒ぎ」などのテレビ番組で活躍。現在は企業に勤めながら、アパレルブランドの公式ブロガーやインフルエンサーとして幅広く活動中だ。もう1人はMAAMIさん。109ショップ店員を経験後、モデル・タレント・レースクイーンなどで幅広く活動。旅とお酒が好きで世界一周の経験もあるという女性だ。

――インスタグラマーになるきっかけを教えてください。

MAAMI: 最初は趣味で始めたのですが、私たちは読者モデルやタレントとしてもTwitterやブログで発信していました。その流れでInstagramも始めたという感じですね。

――どうやって仕事は受けるのですか?

MAAMI: 基本は代理店さんを通して依頼があります。

神尾: 依頼されるのは有名なタレントや実績のある人気のインスタグラマーだけと思われるかもしれませんが、最近では名前もHN(ハンドルネーム)で顔も出していない、地方在住の人が人気があったりします。

――インスタグラマーってどんなタイプの人がいるのでしょうか?

神尾: いくつか種類があって、ファッション系、コスメ系、フード(ご飯)系などがいます。

MAAMI: ですので、インスタグラマーによってフォロワーの属性はそれぞれ違うと思います。

●高額を手にしているインスタグラマーがいる

――以前、ブログでも発信されていたということですが、ブログとInstagramはどちらが稼げますか?

神尾: 個人的な話をすると、Instagramのほうが稼げていますね。ブログではたくさん写真を撮って、どんなに長い文章を書いても報酬は1本1000円くらいでした。Instagramでは写真を撮ってハッシュタグを付けて発信して数万円という世界です。

――インスタグラマーとして活動して、どのくらい稼げるようになりましたか?

MAAMI: 同年代の働く女性の月給2カ月分くらいです。

神尾: 月収が年収と思えるような人気のインスタグラマーもいるそうです。

――えっ そんなに! これからインスタグラマーを目指したい人は、どういう方法でなれるのでしょうか?

MAAMI: Instagramを始めることは絶対条件ですが、投稿も無差別ではなく世界観を決めて続けることが大切かもしれません。そしてインスタグラマーの代理店に登録して、まずは多くの案件を受けてやってみてはいかがでしょうか。

神尾: 何万というフォロワーを持つ人気インスタグラマーなら、たくさん依頼されると思いますが、まずは何かに特化していたほうが企業も代理店も依頼しやすいかもしれません。

――Instagramで人気になるコツってありますか?

MAAMI: 写真に持続性があるとフォロワーが増える傾向がありますね。例えばファッションの写真なら同じ背景、同じポーズで撮影する。

神尾: タイムラインを見ているときに写真がそろっているほうがキレイで見やすいからなのかもしれません。

MAAMI: ハッシュタグ選びも重要ですね。外国人にも見てもらえるように英語を入れてみたり。コスメのブランド名でも英語と日本語でハッシュタグを入れます。

神尾: #Happyとか#Loveとか、よりたくさんの人が興味を持って検索するハッシュタグも入れるようにしています。

●いろいろと工夫している

――いろいろ工夫されているのですね。

MAAMI: どうやったらもっと見てもらえるようになるのか、と常に試行錯誤をしています。

神尾: 1枚の写真のために何十枚も撮影していますね。

――インスタグラマーはクリエイターといってもいいですね。自分で1つのメディアをセルフプロデュースして発信されている。

神尾: 空いた時間でできる手軽さもあるので、兼業でされている人も多いのですが、最近では専業の人もいらっしゃいます。インスタグラマーという1つの職業になってきているのかもしれません。

MAAMI: 10~20代の子で、仕事やバイトもぜず、Instagramだけで月20~30万円稼ぐ人もいますね。

 今回、人気のインスタグラマー2人に話をうかがったが、彼女たちがたくさんの報酬を得ていることに驚いた。もちろん、インスタグラマーになれば彼女たちのように誰もがたくさんの報酬を手にできるわけではないが、これまでのブロガー、ユーチューバーに続き、Instagramを使った新たなビジネスが確立されつつあるのは確かなようだ。ただ、Amazonのレビュー依頼やブロガーを利用した報酬型のレビューが“ステマ(ステルスマーケティング)”と揶揄(やゆ)されたように、Instagramを利用したPRが今後同じ轍を踏む可能性も忘れてはいけない。

 現時点で、これだけのことは言える。Instagramは若い世代に人気があるSNSである。「若い人向けの商品を扱っているけれど、うまくリーチできない」といった悩みを抱えている企業も多いはずだ。自社の商品を写真で伝えたい……と思っている企業にとっては、Instagramは効果的と言えそうだ。

(甲斐寿憲)

最終更新:10/13(木) 8:13

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