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性犯罪 被害者泣き寝入り防止へ 証拠資料を届け出前に保管

上毛新聞 10/13(木) 6:00配信

 性暴力被害者のワンストップ支援センターである群馬県性暴力被害者サポートセンター(高崎市、通称・Save(セーブ)ぐんま)は医療機関と連携し、性犯罪被害者が警察に届け出る前に、犯人が残した資料を採取、保管する取り組みを行っている。客観的な証拠の散逸を防ぎ、直後でなくても処罰を求めやすくするのが狙いだ。被害の潜在化を防止する効果も期待されている。

◎医療機関と連携 取り扱いに細心の注意

 被害者に付着した犯人の毛髪や体液といった資料は、DNA型鑑定による犯人特定をはじめ捜査の重要な証拠になる。ただ、性犯罪被害者は心身の傷が大きく、すぐに警察に届け出るのをためらうケースが少なくない。一定期間が過ぎると、証拠が乏しくなり立証のハードルが上がるため、県などが昨年6月に開設した同センターは、県内32の医療機関とともに資料の採取、保管に乗り出した。

 医師は被害発生から5日以内に限り、被害者の同意を得た上で資料を採取し、冷凍庫で半年間保管する。この間に被害を届け出ることになれば、医療機関は被害者の意向を確認してから資料を警察に提供する。異物や犯人以外のDNA型の混入などを避けるため、医療機関は細心の注意を払うよう求められている。

 県警が昨年認知した刑法犯で、強姦(ごうかん)は7件、強制わいせつは41件。いずれも告訴がないと起訴できない親告罪で、「届け出をためらい、結果的に泣き寝入りとなってしまうケースもある」(捜査関係者)という。

 同センターに寄せられた相談は今年6月末までの1年間で、開設前の予想を上回る計575件に上った。3人の相談員が在籍し、電話相談や面談、支援機関への連絡などに当たっている。運営する県人権男女・多文化共生課は「性犯罪の被害者の回復を後押しし、被害を未然に防げるよう、関係機関と連携を深めたい」としている。

最終更新:10/13(木) 6:00

上毛新聞