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大型旅客機、さらに減産の可能性。小型機へのシフト鮮明に

ニュースイッチ 10/13(木) 7:48配信

変わる航空機需要。日本は企業間の連携を加速

 2015年度の国内航空機生産高(宇宙分野を含む)は11年度比でほぼ倍増し、初の2兆円を突破した。機体やエンジンを手がける重工メーカーから、部品加工や表面処理などを担う中堅・中小企業まで、産業のすそ野は着実に拡大。自動車に続く基幹産業として期待される。半面、大型機から利幅の小さな中・小型機へのシフトに伴うコストダウン要請の高まりなど、事業環境に変化も見られる。このまま安定飛行を続けられるのか―。航空機産業の今を追う。

<ボーイングとの縁が深い日本企業>

 横ばいで推移する防衛航空機を横目に、右肩上がりの民間航空機。世界市場は今後20年間で、現状比倍増の5兆ドル規模への拡大が見込まれる。米ボーイングと欧エアバスの2強を軸に、各社の受注競争は激しさを増す。

 日本メーカーと縁が深いのがボーイングだ。大型機「777」や大幅な軽量化が図られた中型機「787」など向けに、胴体や翼などメーンの機体部品から、足回りや内装など幅広い分野を担当。777で21%、787は35%を日本メーカーが担う。「次期大型機『777X』でも21%での参画が決まっており、日本勢の地位は盤石となっている」(杉原康二日本航空宇宙工業会業務部長)。

<年間受注が283機→58機に急減>

 ただ、堅調に見えた民間航空機市場にも変化の兆しが出ている。ここにきて、ボーイングとエアバスが相次いで大型機の減産を打ち出した。新興国の景気減速による需要減や、格安航空会社(LCC)の台頭に伴う小型機需要の拡大などが背景にある。

 777の受注は14年の283機をピークに、15年は58機で着地。受注残も15年に524機となり、09年以来6年ぶりに純減した。ボーイング首脳は「必要に応じてさらに減産する可能性もある」と示唆した。エアバスも7月に大型機「A380」の生産ペースを15年の27機から、18年までに年間12機に減らすと発表した。原油安で燃料価格が低下し、「燃費性能の高い新型機への更新を先延ばしにしている」(杉原日本航空宇宙工業会業務部長)ことも響く。

 大型機の需要減や利幅の小さな小型機の好調を受け、機体メーカーはサプライヤーに対し、15―20%程度のコスト削減を要求している。このため、コスト圧力は大手とともに中小企業まで波及。「事業成長とコストダウンの両立は、中小サプライヤーの大きな課題」(同)となっている。

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最終更新:10/13(木) 7:48

ニュースイッチ