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「新日鉄住金の経営課題」〈進藤社長〉=「原料高騰受け、値上げ急ぐ」

鉄鋼新聞 10/13(木) 6:00配信

 新日鉄住金の進藤孝生社長はWSAドバイ大会に出席し、エグゼクティブ・コミッティや理事会に参加したほか、海外首脳と意見交換し交流を深めた。大会の総括とともに、新日鉄住金の経営課題などをドバイ市内のホテルで聞いた。(ドバイ発=一柳 朋紀)

――足元の経営課題は。
 「収益環境が大変厳しい中で、原料炭を中心とする原料価格高騰を受け、コストアップ分を反映した鋼材価格改定を進める必要がある。中国ミルにも値上げの動きがあるし、世界の高炉メーカーはどこも原料高がコストアップ要因になっている。今回の原料炭急騰前から、上期に値上げ方針を打ち出しているが、ここにきてさらなるコストアップを受けて待ったなしの状況だ」
――内需の見方は。今回WSAが公表した日本の鋼材消費見通しは今16年が微減、来17年が微増となっています。
 「鋼材消費量と内需に若干の違いがあることも一因だが、先日の10~12月期鋼材需要見通しで示された通り、下期は日本の国内需要は回復するとみている。力強さがないという指摘もあるが、決して弱くはなく底堅い。補正予算も通っており、値上げをお願いする環境が整っていく」
――この地での事業展開は。
 「パイプ事業を手掛ける子会社のNPC(ナショナル・パイプ・カンパニー)がサウジアラビアにあるほか、ここUAEにはアブダビに建材薄板を生産するAGIS社(2割出資)がある。ローカリティの強い分野だが、顧客ニーズに対応していく」
――地域の将来性や石油関連ビジネスについて。
 「石油価格は50ドルを上回ってきており、ロシアがOPEC諸国と歩調を合わせる動きもあるが、事業環境をよく見ていきたい。MENA(中東・北アフリカ地域)は相当なポテンシャルがある。地政学的なリスクが高い地域だが、当社はOCTG(油井管)ビジネスも展開しており、動向を常に関心を持って見ている」
――今回のドバイ訪問では、合弁事業相手の海外ミル首脳と個別会談も?
 「ブルースコープやアルセロール・ミッタルなど、トップ同士でいろいろ話をした。海外事業は総じて好転の兆しが見えている。まだまだ課題はあり、しっかり取り組んでいく」
――ウジミナスは、ホメル前CEOがCEOに復帰し、セルジオCEOが副社長に就きます。
 「当社の主張が全面的に認められたことでホッとしている。違法状態が解消された。ウジミナスの収益改善のために、今と同じように今後も支援を続ける。ブラジルの経済状況は底を打ったと考えている」
――WSAではこのたび副会長に就任。慣例で言えば、1年後に会長就任予定です。
 「新体制で副会長としてフェリオラ新会長(ニューコアCEO)をサポートする。世界鉄鋼業が直面する二つの大きな課題、すなわち中国の過剰能力問題と地球環境問題(CO2排出削減)にWSAとしてどういう関わり方をするかという議論はあるが、安全など他のテーマとともに皆と一緒になって取り組んでいきたい」

最終更新:10/13(木) 6:00

鉄鋼新聞