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私は如何にしてメタノールに視力を奪われたか

ハンギョレ新聞 10/13(木) 11:57配信

メタノール失明被害者らが対策を求める会見 サムスン・LGの携帯電話部品下請け会社で勤務 軍手と使い捨てマスクのみ支給され 臭い水と思ったのが毒性メタノール 不法派遣のため1年8カ月間労災申請できず

 「これから私のような被害者がさらに出ないでほしいという思いで、勇気を振り絞りました」

 毒性物質であるメチルアルコール(メタノール)中毒で失明したキムさん(29)は12日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会正論館で労働災害申請の記者会見を開き、このように語った。バリスタを夢見ていたキムさんは、軍隊を除隊してから警備会社で1年間働いた後、2015年1月に派遣会社に入った。派遣会社は、携帯電話部品を生産する京畿道富川(ブチョン)のD社で夜9時から朝7時30分まで勤務する夜間組に、彼を配置した。「警備会社で働いていた時より給料が2倍も上がり、月200万ウォン(約18万4千円)をもらえる"良い仕事"だった」とキムさんは話した。サムスン電子の3次下請け会社で、アルミニウムを削って携帯電話のボタンや裏蓋を作るメーカーだった。製造会社には、現行法上派遣が禁止されているため、キムさんは違法派遣だった。

 携帯電話の部品が載せられたベルトコンベヤーでは、常にアルコールの匂いがする水が噴射されていた。その水はメタノールだった。現行法上、メタノールを使用する際には、保護メガネと呼吸用保護具を具備しなければならないが、D社は、キムさんに軍手と使い捨てマスクしか支給しなかった。キムさんは3週間の勤務で呼吸が苦しくなると同時に目が見えなくなり、2月22日に病院を訪れた。病院では視神経炎と診断されたが、実際はメタノール中毒だった。現在、彼は右目が見えず、左目の視力も10%しか残っていない。

 キムさんは「働いている間に被害を受けたわけだから、会社が悪いと思った。しかし、労災保険に加入していない状態で、一人で会社と戦って勝てるのかと思うと、目の前が真っ暗になった」と話した。会社が労災保険に加入させておらず、違法に派遣された労働者であっても、労働者が労災を申請できるという事実を最近まで知らなかったからだ。同日、キムさんは労働健康連帯の支援を受けて、勤労福祉公団に労災を申請した。

 キムさんと共に労災申請を出したチョンさん(35)も、「会社から『労災保険に加入しておらず、示談以外には方法がない』と言われた」と話した。チョンさんは、仁川(インチョン)南洞工業団地のP社で昨年9月から4カ月間勤務していたが、今年1月22日に倒れ救急車で運ばれた。P社はサムスン電子とLG電子の携帯電話部品を製造する下請け会社だ。派遣会社は200万ウォンを出して示談を強要し、家族からも示談を勧められたため、結局彼は示談に応じた。

 当時はメタノール中毒で失明した患者が相次いで確認され、雇用労働部がメタノールを使っていると把握された会社を対象に特別点検を行っていた。P社はメタノールを使用していないと嘘をついたが、メタノール中毒患者が出て、後になって集中指導・点検を受けた。雇用部はメタノール中毒被害者が出た3社で働いた労働者266人を追跡調査したが、キムさんとチョンさんはその対象から外されていた。

 国会環境労働委員会所属のハン・ジョンエ議員(共に民主党)は「雇用部が被害者の発生したメーカーで働いていた派遣会社の労働者たちを再度確認し、特別健康検診を実施するなどの対策を講じるべきだ」と指摘した。

チョン・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

最終更新:10/13(木) 11:57

ハンギョレ新聞

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

うん、核融合炉を作ったよ
核融合こそ未来のエネルギー問題への答えであり、子どもにだって世界は変えられる、テイラー・ウィルソンはそう信じています。そして彼はそのどちらにも取り組んでいます。14歳の時に家のガレージで核融合炉を作り、17歳となった今、直前の依頼に応えてTEDのステージで自分の物語を(手短に)語っています。