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辺野古承認取り消し1年 訴訟乱立、対立続く国と県

沖縄タイムス 10/13(木) 8:20配信

 沖縄県の翁長雄志知事が昨年10月13日に辺野古沿岸の埋め立て承認を取り消して以降、国と県は四つの訴訟で争ってきた。

 一つは、国が知事に代わり承認取り消しの撤回をすることを求めた代執行訴訟だ。11月17日、石井啓一国土交通相は「翁長知事は瑕疵(かし)のない承認処分を違法に取り消した」として、福岡高裁那覇支部に提訴。「知事の新基地建設阻止の意志は固く、代執行以外で違法な承認取り消し処分を取り消すことは困難」と主張し、県側は「国から独立した行政主体としての判断が尊重されなければならず、国は代執行の前に取り得る手続きを経ていない」と反論した。

 代執行訴訟と並行して、国と県は「抗告訴訟」と「係争委不服訴訟」でも争った。

 承認取り消しで埋め立ての法的根拠を失った沖縄防衛局は、取り消し処分の効力を止めるため、国交相に行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止を申し立てた。国交相はこれを認め、承認取り消しの執行を停止。知事の承認取り消しから2週間後には、防衛局は埋め立て工事を再開できる状況になった。

 このため県は12月25日、執行停止決定の取り消しを求める抗告訴訟を那覇地裁に起こし、「私人の権利救済が目的の行政不服審査制度を、国の機関が使うのは不適法」と反発。さらに、執行停止決定は「違法な国の関与」として総務省の第三者機関「国地方係争処理委員会(係争委)」に審査を申し出たが却下されたため、ことし2月「執行停止は違法」として提訴に踏み切った。

 承認取り消しを巡り訴訟が相次ぐ中、代執行訴訟の第3回口頭弁論で多見谷寿郎裁判長は和解を勧告。「普天間飛行場の返還について協力して米国と話し合うべきだ」とするA案(根本案)と「訴訟の一方で円満解決に向けた努力をする」としたB案(暫定案)を示し、国と県は3月4日、B案で和解した。

 その後は和解条項に基づき、残る訴訟や防衛局の執行停止申し立てを取り下げ、国が県に承認取り消しの撤回を求めて是正を指示。係争委を経て7月22日、国交相は「是正指示に従わないのは違法」として知事を再び訴えた。一審福岡高裁那覇支部で敗訴した知事が上告し、訴訟が続いている。

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最終更新:10/13(木) 8:20

沖縄タイムス