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「007」顔負けのポンド急落劇、個人投資家は悲喜こもごも

Bloomberg 10/13(木) 12:55配信

日本時間7日午前8時すぎ、映画「007」シリーズでビルから飛び降りるジェームス・ボンド顔負けのアクション劇が外国為替市場で起きた。英ポンドが一瞬にして31年ぶりの安値に急落したのだ。FX(外国為替証拠金取引)を手掛ける個人投資家も巻き込まれたが、スイス・フランやトルコ・リラなど数多くの急落相場の経験がある程度効を奏したようだ。

ブルームバーグ端末で確認できた安値は、1ポンド=1.1841ドル。わずか数分前までは1.26ドル台前半で推移していたポンドが1985年3月以来の水準を付けた。ポンド・円も1ポンド=131円台から7%以上急落し、一時2012年8月以来となる121円台に突入した。

急落の原因について、市場関係者からは、コンピューターを駆使する注文が下げの引き金となり、早朝という時間帯で流動性の薄さが値動きを増幅させたとの解説や、ヒューマンエラーや「タイプミス」の可能性が指摘されたが、確認はできていない。ただ、短期的な取引をする投資家が売り買いにいそしんだようだ。

外為どっとコム総研の神田卓也取締役調査部長は、「あれだけの急落だったので特にポンド・円で巻き込まれた投資家は少なくなかったが、下がったらポンド買いという向きもいたし、いわゆるデイトレーダーのような投資家は追随のポンド売りをしたりと結構売買は交錯していた」と振り返る。

ポンドは英国の国民投票でEU離脱支持派の勝利が判明した6月24日にも暴落し、対円では一時11%値下がりした。その後は2012年以来の低水準ながらも小康状態となっていたが、今月2日のメイ英首相の演説をきっかけにEU離脱が「ハードブレグジット(強硬な離脱)」になるとの観測が浮上。ポンドの一段の売り圧力となった。

神田氏によると、7日のポンド急落時の相場では、ポンド・円の130円付近で個人投資家のストップが付いた一方、125円台などでは買い指し値が付いたケースもあり、「悲喜こもごも」だった。「いわゆる歴史的安値圏に近づいてきているので買いも入りやすいし、材料面からは思惑的な売りが入りやすい」と指摘した。

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最終更新:10/13(木) 12:55

Bloomberg