ここから本文です

電力の契約を変更した89%が満足、3万人を対象にした国の調査で

スマートジャパン 10/14(金) 11:25配信

 電力・ガス取引監視等委員会が大規模なアンケート調査を実施した目的は、電力の小売自由化がどのような価値を消費者に与えているかを分析するためである。沖縄を除く全国9地域の20~69歳の男女から、合計3万人をスクリーニング調査の対象に選んだ。調査の時期は小売自由化から5カ月を経過した9月6日~7日である。

【その他の画像】

 スクリーニング調査の回答をもとに、性別と年代ごとの人口構成に合わせて1万人分を抽出して、自由化の認知度や契約変更の状況を集計した。さらに地域ごとの契約切り替え件数に合わせて1000人を抽出したうえで、変更手続きにかかった時間や変更後の満足度を調べた。委員会が小売自由化後に実施した初めての調査結果には興味深い内容が多く含まれている。

 第1に小売自由化の認知状況を聞いたところ、「内容を詳しく知っている」と「知っている」と回答した比率は26.8%にとどまった。「なんとなく知っている」を加えると90.6%に増えるものの、認知度は決して高くない。しかも電力の購入先や料金プランを変更した人でさえ、「なんとなく知っている」との回答が26.0%、「知らない」と「聞いたことがない」も合わせて10%以上いる。

 調査時点で購入先を変更していた比率は1万人のうち7.2%、電力会社の新しい料金プランに変更した比率は2.6%だった。両方を合わせると1割に近づいている。一方で変更していない人でも27.2%は比較検討したことがある。変更済みを含めて関心がある人の割合は全体の3分の1に達している。

 実際に契約を変更した1000人に10段階で満足度を聞いた結果、中間のレベル5以上が88.6%にのぼった。満足度が高いレベル8以上も28.5%を占めていて、おおむね高評価と言える。こうした人たちの口コミが今後どのくらい広がるかによって、契約変更の状況は大きく変わりそうだ。

変更手続きは6割が30分未満で完了

 電力の購入先や料金プランを変更した人は、どのような点で満足しているのか。第1の理由は当然ながら電気料金が安くなることだが、第2の理由に「電力供給が安定している(停電などの心配がない)」を挙げている人が3割もいる。契約を変更しても停電の発生率に差は生じないにもかかわらず、そうした不安を抱いていた人が多くいることも明らかになった。

 生活面の変化も見られる。月々の電気料金の変化によって「節電意識が高まった」と回答した人は26.6%、「他のことにお金を使えるようになった」も26.0%を占めている。さらに「ガスや通信など他の公共料金についても見直しの意識が高まった」人は1割強にのぼる。

 契約変更の手続きは簡単に済んだ人が多かった。「とても簡単だった」が42.7%、「やや簡単だった」が39.4%で、8割以上は手続きに支障を感じていない。小売電気事業者がスイッチング支援システムを使って迅速に手続きを進められることが大きな要因だろう。

 契約変更にかかった時間も10分未満が21.5%、10分~30分未満が38.1%を占めて、全体の約6割が30分未満で手続きを完了している。2時間以上かかっているケースは2.4%で極めて少ない。

 まだ契約を変更していない人の理由を見ると、「手続きが面倒くさそうだから」を挙げている人が15.1%もいる。1番目の理由である「変更することのメリットがよくわからない」や4番目の「電力の安定供給に不安がある」と合わせて、国と小売電気事業者が改善できる余地は大きい。

最終更新:10/14(金) 11:25

スマートジャパン