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進次郎農政改革に賛否両論

ニュースソクラ 10/14(金) 12:00配信

JA全農不要? 販売価格、安すぎる?

 「山は登るほど空気が薄くなって厳しいけれど、皆で頂上目指して頑張りましょう」

 自民党の小泉進次郎農林部会長が率いる農林水産業骨太方針策定PT~いわゆる小泉PTは、11月の農業改革案とりまとめにむけて、JA幹部との「意見交換会」全国キャラバンを開始した。

 初回の10月8日は、都内・皇居のそばにそびえ立つJAグループの「本丸」=「JAビル」で行われ、関東・甲信ブロックから数百人の農協や農業団体幹部らが集まった。

 会の冒頭あいさつに立った小泉氏は、農業改革を山にたとえ、「JAグループ、農水省、そして現場の農業従事者みんなで頂上を目指そう」と呼びかけた。

 さらに小泉氏は、「一年前、自民党と萬歳さん(JA全中前会長)時代のJAグループが衝突した時といまは違う」として、JAグループと小泉PTは改革に向け同じ認識を共有していると強調した。

 小泉氏は、「日本の農業の最大の課題はTPPだと問われれば、それは違う」と言う。

 TPPが議論されるはるか前から、日本の農業人口と総所得は減り続け、農業従事者の高齢化は歯止めがかからない。さらに耕作放棄地は、企業の農業参入を阻んでいる間も増え続けてきた。

 日本の農業がおかれた危機的状況を受け、「儲かる農業」「持続可能な農業」を実現するために、小泉PTが思い描く改革の姿とは何か?

 小泉氏は、まずは農業従事者が「農家」ではなく「農業経営者」として経営感覚を高めることが必要だとする。

 そして「農業経営者」支援のために、「生産・流通コストの削減」「人材力強化」「輸出促進」を柱として、政官民に構造改革を促している。

 「意見交換会」の中で小泉氏は、日本の生産資材が高い理由を、A3のペーパー1枚にまとめ参加者に説明した。

 日本の生産資材価格は、お隣の韓国に比べて最大3倍程度高い。特に農業機械は、韓国に比べて最大6割高い。業界が大手4社で出荷量の8割を占める寡占状態のため競争原理が働かないからだ。

 そして生産流通コストが高くなる元凶として、小泉氏がやり玉にあげるのがJA全農だ。

 全農はJAグループ全体の商社機能を担い、海外からの買い付けなどを行ってきた。しかし独占的な立場であるが故に高コスト体質が改善されず、農業現場では「他の商社や街のホームセンターで買うほうが安い」と不満の声が根強い。

 この日の意見交換会でも、参加者から「全農は要らない」「競争を阻害する」との批判の声が相次いだ。

 また会では、小泉PTに対しても意見や要望が相次いだ。ある参加者は、「資材コストは民間が競争して努力すれば安くなる。政治と行政には、税制や土地改良などでインフラのコストダウンに努めてほしい」と小泉改革の方向性に疑問を呈した。

 また、他の参加者からは「急務なのは農産品の販売価格の引き上げだ。農業の平均賃金は他の産業に比べて安い。アベノミクスの恩恵を農業にもほしい」と、生産コスト削減より販売価格引き上げによる所得の改善を求める声が上がった。右肩下がりの農産品の販売価格は、農業従事者にとっていまそこにあるリスクだ。

 ある参加者は「八百屋が消えスーパーやコンビニが販売するようになってから、販売価格は下がり続けている」と述べ、小泉PTには価格形成システムにこそメスを入れてほしいと注文した。

 政府の規制改革推進会議の農業部会は6日、小泉PTに先駆けて農業改革に向けた提言をまとめた。

 しかし小泉氏は、「規制改革会議と党の関係はいままでと変わってきた。党が先に走り、後から追いつくのが規制改革会議。主導しているのは党だ」と、PTの改革案に自信をのぞかせる。

 小泉PTの「意見交換会」は、東京のほか名古屋、富山、岡山、大阪、仙台、福岡で開催される。「小泉ふざけるなとの声も現実にあるが、物申したい人ほど積極的に参加してほしい」と述べる小泉氏。農業の現場に渦巻く様々な声を吸収して、小泉改革はさらに加速するか。

 政(族議員)官(農水省)民(JAや農業関連企業)の「岩盤」トライアングルを崩すのは、自民党の若きエースの肩にかかっている。

■鈴木 款 (フジテレビジョン・シニアコメンテーター) 早稲田大卒。フジテレビでは、報道2001ディレクター、ニューヨーク支局長、経済部長を経て現職。インターネット放送ホウドウキョクで教育番組のプロデュースも行なっている。

鈴木 款 (フジテレビジョン・シニアコメンテーター)

最終更新:10/14(金) 17:48

ニュースソクラ

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