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政務活動費から親族建物に賃借料 福井県議の実態、第三者介し入居も

福井新聞ONLINE 10/14(金) 17:47配信

 富山市議会をはじめ、全国の地方議会で政務活動費のずさんな使い方が明るみに出る中、福井県議会の議員36人の2015年度収支報告書(同年5月~16年3月)を福井新聞が調べたところ、少なくとも3人が自分の事務所を親族や親族の会社から借り上げ、政務活動費から賃借料を支払っていたことが分かった。県条例に基づく運用マニュアルでは、同居家族であっても、生計が別なら政務活動費で賃借料を支払うことができるが、第三者を介して親族所有のビルに入居するなど、実態が分かりにくいケースもあった。

 議員36人のうち、政務活動費から事務所の賃借料を充てていたのは19人。自宅に事務所を構えるなどして、政務活動費から賃借料を支払っていなかったのは17人だった。

 運用マニュアルでは、後援会や関連会社が所有する建物や、親族が所有する事務所の借り上げに政務活動費を充てることができる。ただ、議員本人や生計を一にする親族が所有する事務所などへの賃借料には充当できない。

 15年度の収支報告書を調べると、親族や親族の会社に政務活動費を事務所費として支払っている議員の中には、兄や弟が社長を務める会社から借り上げているケースがあった。また、父所有のビルに入居している第三者から事務所を借りている事例もあった。

 県条例では議長が収支報告書に記載された支出が適正か確認した後、知事が内容を審査して額を確定することになっている。このため、議会事務局と理事者側がダブルチェック態勢で精査している。ただ「必要な書類が添付されているか、金額の整合性が取れているかなどの形式的な審査はするが、最終的には議員の良識に委ねている」(議会事務局)のが実情。議員と同居する家族の生計の実態や、事務所が入っている建物や貸主の会社の登記、議員との関係までは確認していないという。

 地方議会に詳しい政治資金オンブズマン共同代表の上脇博之神戸学院大教授(憲法学)は「抜け道をつくって、税金を私物化することは絶対に許されない。議員には納税者に詳しく説明する責任がある」として▽収支報告書に使途の詳細を細部まで記載し、支出を裏付ける領収書と併せてネット公開▽支出基準の厳格化▽前払い制から、適正と認められた実費だけを後日支給する後払い制への変更―などの必要性を指摘。「ネット公開で納税者の監視の目が入りやすくなれば、議員に緊張感が生まれ、不正防止につながる」としている。

 ■政務活動費とは

 地方議員に調査・研究の経費として議員報酬とは別に支給される。資料の作成費や研修の参加費などに充てられ、選挙や政党の活動には使えない。2012年の法改正で使途が広がり「政務調査費」から名称が変わった。福井県の県議会議員の政務活動費は1人当たり月30万円。15年度の執行額(会派分含む)は1億147万7千円で、交付額に対する執行率は78・8%。残額は県に返還された。

福井新聞社

最終更新:10/14(金) 17:47

福井新聞ONLINE