ここから本文です

出光・昭シェル、合併延期-創業家と対立続く 販売店は「合併支持」

日刊工業新聞電子版 10/14(金) 15:30配信

出光興産と昭和シェル石油が、2017年4月を目指していた合併の延期を決めたものの、合併の障害である出光創業家の反対姿勢を覆せる見通しは依然立っていない。創業家との対立が続けば、合併への道が閉ざされかねない。出光は同社の株式を3分の1以上保有する創業家側の議決権比率を、第三者割当増資によって希薄化させるなどの難しい選択を迫られそうだ。(編集委員・宇田川智大)

創業家側は合併に先立つ出光の昭和シェル株取得にも反対しており、自ら昭和シェル株を0・1%取得して出光をけん制した。出光が取得する昭和シェル株と出光の大株主である創業家の保有分を合わせると、発行済み株式全体の3分の1を上回るため金融商品取引法上、出光は昭和シェル株をTOB(株式公開買い付け)によって取得しなければならなくなるとの主張だ。
株式取得の費用が膨らむTOBを避けるため、出光が英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルグループから取得する株式の比率を引き下げるとの観測もある。最後の手段としてTOBも選択肢になるが、昭和シェル側はTOBにも取得比率引き下げにも難色を示している。
出光は同法が適用されるかどうかを確かめるための協議を、規制当局と進めている。仮にTOBを回避できても、合併承認を求めて招集する臨時株主総会で、3分の2以上の賛成票を得られなければ計画は頓挫する。創業家側以外の株主を引受先とする第三者割当増資に踏み切り、創業家側の議決権比率を引き下げる可能性もあるが、ほかの株主の反発も予想され、慎重な判断が必要だ。
13日の会見で出光の月岡隆社長は、創業家の翻意を促す材料として、系列販売店の間で合併を支持する声が強いことを挙げた。需要減退で給油所(SS)が過当競争に陥る中、系列販売店の組織「全国出光会」も合併に賛同を表明。これが打開への「糸口になる」との期待だ。
ただ同組織が創業家に経営陣との協議を求める書簡を9月末に送っても、今のところ音沙汰がないという。現状が続けば合併が頓挫する可能性があり、石油業界再編、世界で戦えるエネルギー企業の創出という政府の筋書きも大幅に狂う。

【会見要旨】
月岡隆出光興産社長と亀岡剛昭和シェル石油社長の会見は次の通り。

―創業家との交渉で妥協の可能性は。
月岡社長 現時点で当初のスキーム通りが、すべてのステークホルダーにベストだ。経営統合こそステークホルダーの共同利益になる。ベストな選択だと創業家に理解してもらうことが正しい道と思う。

―今日、統合延期を決めた理由は。
亀岡社長 出光興産の大株主(創業家)が反対する状況があり、物理的に難しいと判断し、速やかに発表した。

―統合時期はどのくらい延期になりますか。
月岡社長 数年はあり得ない。期限を区切らず時期を未定としたので、ゆっくりと(創業家側の考えを)確認できる。1年以内に統合をやりたい。
亀岡社長 私も2―3年とは考えていない。

―創業家に必ず理解してもらえるとする理由を教えてください。
月岡社長 販売店から統合を求める声が上がっている。販売現場は数字以上に(競争の)厳しさが増している。JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の統合も控えており、販売店の不安は高まっている。

―経営責任についてどう考えていますか。
月岡社長 統合を進めることが私の責任だ。

最終更新:10/14(金) 15:30

日刊工業新聞電子版

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

北朝鮮からの脱出
北朝鮮での幼少時代、『ここは地球上最高の国』と信じていたイ・ヒョンソだったが、90年代の大飢饉に接してその考えに疑問を抱き始める。14歳で脱北、その後中国で素性を隠しながらの生活が始まる。 これは、必死で毎日を生き延びてきた彼女の悲惨な日々とその先に見えた希望の物語。そして、北朝鮮から遠く離れても、なお常に危険に脅かされ続ける同朋達への力強いメッセージが込められている。