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ソフトバンク、「IBMワトソン」をベースに独自AI構築 社員2000人のスマホで稼働中

日刊工業新聞電子版 10/14(金) 16:10配信

AIが営業員に助言

 ソフトバンクが法人向け営業に人工知能(AI)を活用して、生産性の向上に乗り出した。自然言語による複雑な質問を解釈して返答するシステム「IBMワトソン」を基に、独自のAIを構築。営業員のスマートフォンを通じて、商材の提案方法などを助言する。宮内謙社長兼最高経営責任者(CEO)は、ITの力で社内業務のコストを半減して生産性を2倍に高める「Half&Twice」を目標に掲げており、AIを活用して目標の達成に挑む。

■悩みにすぐ返答
 「最近の製造業への提案事例を分析すると、人手不足を解消する提案が響く傾向にあります」―。スマホに導入した独自のAI「ソフトバンクブレーン」が行う助言の一例だ。営業員が営業先にどんな商材を提案すべきか悩み、問いかけた際にすぐに答える。ソフトバンクブレーンは7月から法人部門で導入を開始し、営業員約2000人が使い始めた。
ソフトバンクは法人向けに2500件もの商材を持つ。膨大な商材の中から営業先に最適な提案を行うには経験や知見が必要。新人の営業員は「提案すべき商材」や「提案方法」などが分からず、悩んだり困ったりする時間が生まれる。

■無駄な時間、1人当たり平均47分
 社内の調査によると、悩んだりする無駄な時間は1人当たり平均47分に上るという。営業員の悩みにブレーンがすぐに答えることで無駄な時間を短縮し、業務を効率化する。同社プロダクト&マーケティング統括AIプロジェクト室の加藤もと子室長は「(無駄な時間を)少なくとも半減させたい」と意気込む。

 ブレーンの構築に当たっては、AIに聞きたい業務関連の質問を社内で調査した。その結果、集まった自然言語の質問データ約2万2000件をブレーンに学習させた。商材の提案方法に関わる資料約8000件や営業先の企業情報約1万7000件などのデータと連携し、質問に応じてブレーンが引き出せるようにした。

 今後は社員の情報もひも付け、商材を提案する際の社内の相談相手などもブレーンが答えられるようにする。将来は会員制交流サイト(SNS)などの社外情報も連携させる方針で、加藤室長は「何でも答えられるAIに育てたい」と力を込める。

■感情エンジンと連携
 さらに、同社グループのcocoroSB(ココロエスビー、東京都港区)が開発した、人の感情を読み取るAI技術「感情エンジン」との連携にも取り組む。加藤室長は「具体的な活用方法は研究中」と前置きしつつ「営業成績を褒めたり、慰めたりするようになるかも」という。営業の支援だけでなく、心のケアでの運用も視野に入れる。ソフトバンクブレーンが営業員の相棒になる日が来るのかもしれない。

最終更新:10/14(金) 16:10

日刊工業新聞電子版